がん相談支援センター

ごあいさつ

当センターは，がんの医療に特化した相談窓口として，小児から成人に至るまでのがん患者さんやそのご家族のほか，地域の方々はどなたでも無料でご利用いただくことができます。

がん診療の日々の進歩を背景に治療の選択肢が広がるとともに，インターネットなどの普及による情報環境の変化もあり，がん関連の情報を容易に入手できるようにはなりましたが，その反面，その患者さん自身にとっての適切な情報を取捨選択することが非常に難しくなっているという現状もあります。同時に，患者さん自身を取り巻く社会生活環境は多様化しており，がん治療を継続しながらその環境へ適応していくための課題，さらに，がんは依然として「死」を連想させる疾患であることからがんの診断や治療の過程において患者さんの混乱・動揺に対する心理的ケアなど，患者さんそれぞれにとって必要となる支援は多岐にわたります。当センターではがん治療に関する情報を患者さんとともに確認し，関連情報を整理するサポートをさせて頂いております。

最近では抗がん剤治療などのがん治療も外来で行える機会が増えてきました。よって，患者さんはがん治療に伴う副作用や後遺症の心配を抱えながら家庭で多くの時間を過ごすこととなり，家族の負担も増大したといえます。家族は「第2の患者」ともいわれるように，患者さんを含む家族全体を援助することも当センターの大きな役割の一つであります。また，がん治療と仕事の両立など就労に関わる事項については，がんと診断された早い段階から考えていく必要があります。

当センターでは，年に4回「ワーキングサポート（就労支援）」や「がん患者セミナー＆カフェ」といった，がん患者さんへの情報提供や患者さんとそのご家族が語り合う場を持てるような定期的な取り組みも継続して行っております。（新型コロナウイルス感染拡大状況によりＷＥＢ開催になる場合もあります。）

がんに関する治療や療養生活全般，地域の医療機関などについての疑問や治療に対する不安を感じた時にお気軽にご相談いただくことのできる窓口として，当センターは病院1階に設置されており，相談にはがんに精通する専門スタッフが親身に対応しております。

がん治療を取り巻く環境に不安や悩みを抱えている方は，当センターをご利用ください。

センター長 呼吸器外科部長
  櫻井 裕幸

小児や15〜39歳までのAYA（Adolescent and Young Adult）世代のがんについて，当院は都内でも有数の多くの患者さんを診療している施設として評価されて参りました。また平成25年9月には小児がんに関して高度な診療提供体制を有する施設として，東京都小児がん診療病院に認定されています。

小児がんは，わが国では年間出生数（2022年で約80万人）に対し，2000人から2500人が罹患しています。またAYA世代のがんは1年間でがんを発症する100人に対し2人程度と極めて少ないです。そのため専門とする医師や医療機関が少なく，診断や治療法の開発・実用化が難しいことから，診療・受療の課題が他のがん種に比べてまだまだたくさん残されています。

厚生労働省では第4期がん対策推進基本計画（令和5年3月）において小児・AYA世代のがん患者さんとその家族が安心して適切な医療や支援を受けられるような環境の整備を目指しています。また小児・AYA世代のがんには，多種多様ながん種が多いことや，成長発達過程において発症するという特徴があり，それぞれのライフステージごとに，異なった身体的問題，精神心理的問題及び社会的問題が生じることから，患者さんのライフステージに応じたがん対策を講じていく必要があるとしています。

わが国の小児がんの専門家はまだまだ少ない中，当院は大学病院の利点を最大限生かし，小児がんとAYA世代がん診療にも十分な経験と支援体制を有する医療機関です。がんの診断治療では，一つの診療科だけでは不十分であり，小児科，小児外科，整形外科，脳神経外科，消化器肝臓内科，消化器外科，放射線科，病理診断科，痛みセンターなどの多くの診療科の医師，コメディカルが協力して患者さんを支えます。また，がん相談支援センターでは，小児から成人の患者さん，またそのご家族も含め，幅広く相談支援に力を入れており，療養をはじめ就学・就職支援や社会復帰のお手伝いをしております。今後とも地域における医療連携を密に，患者さんへのよりよい医療を目指して参ります。

副センター長 小児外科部長
  上原 秀一郎

相談窓口のご案内

患者さんやご家族のがん医療に関する心配事，疑問および医療機関などの情報をお知りになりたい場合にご利用いただけます。

場所

1階　がん相談支援センター
フロアマップ

相談対応時間

月～金（平日）午前8:30～12:00，午後1:00～4:00
診療日と休診日

相談方法

• 来院による面談での相談
• 電話による相談

対象

がん患者，ご家族，友人，職場の方など，がんに関する相談をしたい方。
当病院におかかりでない方もご相談いただけます。

担当者

国立がん研究センターがん対策情報センターによる研修を修了した看護師や，医療ソーシャルワーカーが，ご一緒に考え，よりよい解決策が見つかるようサポートいたします。
相談内容により，適宜，病院内の他部門と連携を取りながら対応いたします。

予約

ご予約いただけます。
※他の方の相談中は，お待ちいただくことがございますので，お電話等でお問い合わせの上，ご来院いただくことをお勧めします。

相談予約受付時間

月～金（平日）午前8:30～午後4:30
診療日と休診日

料金

無料

電話番号

03-3972-0011（直通）　0570-01-8111（ナビダイヤル）内線3169

がん関連の情報・資料・パンフレット等による情報提供

パンフレットの多くはご自由にお持ちいただけるようになっております。また，窓口でお申し出くだされば，その他のがんに関する情報もお調べいたしますのでお気軽におたずねください。

このような時にご利用ください

• 自分の病気や治療について知りたい
• 医師から病気のことを説明されたが，難しくてよくわからない
• がんと言われ，これからのことを考えると不安でいっぱい
• 家族や仕事のことで悩んでいる
• がんになった家族のことで悩んでいる
• がん治療と仕事の両立はどうしたらよいか
• 治療や手術にかかる費用が心配
• 抗がん剤の副作用による脱毛に備えてかつらを準備したい
• 退院が決まったけど，自宅でどうしたらいいのかわからない
• 緩和ケアについて知りたい
• 同じ体験をした患者さんの話を聞きたい。患者会のことを知りたい
• 介護保険や身体障害者の手続きやサービスが知りたい
• セカンドオピニオンの手続きを知りたい

※相談内容の秘密は厳守いたします

※担当医に代わって，治療について判断するところではありませんのであらかじめご了承ください

がん患者セミナー＆カフェ

がん患者さん・ご家族を対象に，がん治療や療養に役立つ情報のセミナーをWEB動画公開，または対面開催で行っています。
（感染症等の状況を鑑み，現在セミナー後の語り合いの場のカフェは行っておりません。）

次回セミナーのご案内

10月がん患者セミナー「がん患者の外見ケア（アピアランスケア）～ウィッグの豆知識～」[179KB]

就労支援（ワーキングサポート）

がんの治療を続けながら働く方法を，がん相談員と社会保険労務士などの専門家を交えて，一緒に考えるグループワークを定期的に開催しています。

がん相談支援センターだより

がん相談支援センターでは，新しいがんに関する情報や，開催したセミナーの模様を掲載したがん相談支援センターだよりを定期的に発行しています。当病院の外来にもございますので，手にとってご覧ください。

がん関連情報サイト

がんの治療や療養などについてさまざまな情報をご覧いただけます。

• 国立がん研究センターがん情報サービス
• 国立がん研究センター小児がん情報サービス
• 東京都がんポータルサイト

がん相談支援センターアンケート調査結果報告

がん相談支援センターでは，周知と相談の質の向上を目的としたアンケートを行っております。
アンケートにご協力いただいた患者さんに心よりお礼を申し上げますと共に，皆様からいただきました評価，ご意見，励ましのお言葉等を相談員で共有し，今後もより良いがん相談支援センターづくりに取り組んでまいります。

研究協力

• 厚生労働科学研究費補助金（がん対策推進総合研究事業）
  「がん相談支援の質の確保及び持続可能な体制の構築に資する研究」（23EA1025）
• 厚生労働科学研究費補助金（がん対策推進総合研究事業）
  「がん罹患前より障害があるがん患者に対する医療機関における適切な医療・支援の実装に資する研究」（23EA2901）

よくあるご質問

• がんと仕事[253KB]
• がんの医療費はどの位かかりますか？[679KB]
• がんの検査って何をするの？[665KB]
• セカンドオピニオンとは[429KB]
• 患者会について[266KB]
• 退院の不安[516KB]
• 緩和ケアってなに？[506KB]