医療安全管理室について
当病院は常に高度な医療を提供する特定機能病院として,患者の生命の尊厳と医療安全の確保を目的に平成12年に医療安全管理室を設置いたしました。医療安全管理室の主な業務は,医療安全の確保を目的とした報告の集計・分析,医療安全に資する企画,計画の立案や実施及び改善,実施されている診療内容の確認や検証など医療安全を包括的に扱う部署として活動を行っています。
医療安全管理室メンバー
- 医療安全管理室長(副病院長)
- 医師(兼任)※医療安全管理責任者
- 副室長
- 医師(兼任)3名,医師(専従)1名,看護師(専従)1名※医療安全管理者
- 室員
- 看護師(専従)1名※医療安全管理者,薬剤師(専従)1名,臨床工学技士(専従)1名,医薬品安全管理責任者(兼任)1名,医療機器安全管理責任者(兼任)1名,看護師(兼任)2名,診療放射線技師(兼任)1名,臨床検査技師(兼任)1名,事務(専従)2名
医療安全活動の取り組み
令和3年度 医療安全管理室・医療安全管理委員会 活動報告
年間目標
断ち切ろう 慣れた業務の思い込み
小目標
- 侵襲のある治療・検査や有害事象発生時の際の多職種同席によるICの実施とカルテ記載の周知及び実施状況の確認
- インシデント・アクシデント発生時の状況確認・原因分析と改善策の周知。M&Mカンファレンスの推進
- 事故事例分析による院内システム・業務等の見直し
- 各ワーキンググループ活動の充実
- 職員対象急変対応の訓練実施
- 医療安全注意報等の周知確認
- 確認行動実施徹底の為の取り組みと評価
- 部署の医療安全に関する取り組みと評価
- 職員研修の効果測定
- 全死亡事例の検証及び死亡診断書の正しい記載の周知
年間行事
月 | 広報・教育活動 | 発行物 | 監査・視察 | その他 | 備考 | ||
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25条 | 私大協 | SM事例 検討 |
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4月 | 新入職者・ 研修医教育 |
ポケットマニュアル | 準備 | 4/1 ポケットマニュアル配布 4/1 新入職者オリ 4/7 研修医オリ 4/1 新入局者オリ |
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5月 | 医療安全注意報 ヒヤリハット通信 |
5/27 連絡会 |
準備 | 5/25 委員による巡視 | |||
6月 | 医療安全週間 春 医療安全講習会1(e-ラーニング) セーフティーマネジャー講習会 春 |
医療事故防止 マニュアル(電子カルテへアップ) | 6/2 B |
6/28 委員による巡視 |
6/10~ 医療安全講習会(e-ラーニング) 6/10~ セーフティーマネジャー講習会(e-ラーニング) SM院内巡視 6/10・11・15 |
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7月 | 医療安全講習会1継続 (e-ラーニング) |
立ち入り調査 | 7/29 連絡会 |
7/7 C |
7/26 委員による巡視 |
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8月 | CVC講習会 | ヒヤリハット通信 | |||||
9月 | 9/30 連絡会・報告会 |
9/2 D |
9/27 委員による巡視 |
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10月 | 医療安全ワークショップ | 医療安全注意報 | 10/6 A |
10/25 委員による巡視 |
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11月 | 医療安全週間 秋 医療安全講習会2(e-ラーニング) SMによる巡視 |
ヒヤリハット通信 | 11/25 連絡会 |
11/4 | 11/29 委員による巡視 |
11/11~ 医療安全講習会(e-ラーニング) SM院内巡視 11/11・12・16 |
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12月 | 医療安全講習会2継続(e-ランニング) | 12/1 B |
医療安全相互ラウンド (産業医科大学病院) |
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1月 | 1/27 連絡会 |
1/24 委員による巡視 |
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2月 | ヒヤリハット通信 | 2/2 C |
2/28 委員による巡視 |
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3月 | 相互ラウンド 報告会 3/24 |
3/2 D |
年間の振り返り |
※医療器機・セキュリティー講習会・薬剤使用に関する講習会の計画は別途
新人研修
研修医・新入局医師・復職医師
- 4月1日 個人情報保護と守秘義務
4月7日 臨床研修医(45名)
- 医師と法律(行政処分,守秘義務,個人情報)
- 医療事故と医療安全(ハインリッヒの法則,レポーティングシステムとその活用)
- 死亡診断書(死体検案書)の書き方 インシデントレポートシステム
4月1日 板橋病院職員(24名)
- 医療事故防止対策について・インシデントレポートシステムについて
- 個人情報保護に関して
新規・中途採用医師
- 医療安全管理室の役割
- インシデント・アクシデント入力方法
- 最近の院内での状況・注意喚起事項
- 4月1日合同開催(42名出席)
- その他,入職,異動,産休明け時に個別に実施している(388名)[令和4年3月31日現在]
医療安全講習会
テーマ | 備考 | |
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6月 |
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6月e-ラーニング 6/10~7/31 受講者:2,851名 100% |
11月 |
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11月e-ラーニング 11/11~12/31 受講者:2,789名 100% |
※運営に関して,委員が積極的に関与する(当番制)
医療安全週間(セーフティマネジャーによる院内巡視)
テーマ | 備考 | |
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6月 | 看護部:2A・3A・3BM・3C・3EU・4A・4B・4C・4D・5B・6A・6C・6D・7A・7B・8AC・2N・3N・OPE室 | 6月 10・11・15日 66名参加 医師15名・看護師36名・放射線技士3名・薬剤師4名・臨床工学技士3名・臨床検査技師1名・視能訓練士1名・理学療法士3名 |
11月 | 他部門:歯科外来・内視鏡室・アイソトープ室・心カテ室・臨床検査部(肺機能室・心電図室・超音波室・採血室・尿検査・免疫血清・病理・細菌検査)・栄養科・リハビリ室・管理事務室・(医事課(病棟)・会計課・庶務課)・病歴課・放射線室(透視室・アイソトープ・ライナック室)・病棟薬剤部(4A・6A) | 11月 11・12・16日 72名参加 医師14名・看護師49名・放射線技士1名・薬剤師4名・臨床検査技師2名・医療福祉士1名・その他1名 |
セーフティマネジャー講習会
テーマ | 備考 | |
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6月 |
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6/13~7/31 e-ラーニング 医師 105名 看護師 91名 コメディカル 69名 受講者:265名/265名中 |
医療安全ワークショップ
セーフティマネジャー以外へも開放。勤務時間外で行う。
他部門とのコミュニケーションを図り,他職種との連携の充実も目的とする。
テーマ | 備考 | |
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12月 | チームステップス | 12月10日(金)17:30~19:30 13名参加 |
委員による月例ラウンド
月 | グループリーダー | 巡視場所 | 出席者数 |
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5月 | 鈴木 孝浩 | 看護部(5A・6B病棟) | 8名
医師2名・看護師2名 薬剤師1名 理学療法士1名 放射線技師1名 臨床工学技士1名 |
6月 | 内ヶ崎 西作 | 放射線部(MRI・画像診断) | 8名 医師1名・看護師4名 薬剤師1名 理学療法士1名 臨床検査技師1名 臨床工学技士1名 |
7月 | 木下 浩作 | 診療部(泌尿器科・呼吸器内科) | 9名 医師3名 薬剤師2名・事務1名 栄養士1名 放射線技士1名 臨床工学技士1名 |
9月 | 鮎澤 衛 | 看護部(外来:小児科・外科外来) | 9名 医師3名・看護師2名 薬剤師1名 臨床検査技師1名 臨床工学技士2名 |
10月 | 鈴木 孝浩 | 薬剤部(DI室・調剤室) | 7名 看護師2名 薬剤師1名・事務1名 放射線技師1名 臨床工学技士1名 理学療法士1名 |
11月 | 内ヶ崎 西作 | 臨床工学技士室(器材室・救命器材室) | 5名 医師1名・看護師2名 薬剤師1名 臨床検査技師1名 |
1月 | 木下 浩作 | 事務(外来医事課) | 9名 医師1名・看護師2名 薬剤師2名 栄養士1名・事務1名 放射線技士1名 臨床工学技士1名 |
2月 | 鮎澤 衛 | 臨床検査部 | 7名 医師3名・看護師1名 薬剤師1名 臨床検査技師1名 臨床工学技士1名 |
委員による院内ラウンドを行う。
(4・5月は調整月。8月と12月は行わない)
→医療安全週間でのラウンドは,セーフティマネジャーを中心に募集
委員は当番制(ただし,2回/年の参加を義務とする)
セーフティマネジャー事例検討会
インシデント・アクシデント事例の中から症例を挙げそれぞれの職種の目から検証し再発防止に役立てる。
毎月第1水曜日午後3:00~4:00(4・5・8・1月は行わない)
月 | グループ | 検討事例 | 出席者数 | 担当者 |
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6月 | C | 腹膜灌流液にインスリンを誤投与した事例 | 26名 | 杉本 |
7月 | D | 規定外の処方の扱い事例 | 27名 | 早坂 |
9月 | A | ダブルチェックについて | 23名 | 中川 |
10月 | B | 特性要因図を用いた転倒転落事例の分類 | 33名 | 杉本 |
12月 | C | 部位間違い事例 | 19名 | 早坂 |
2月 | D | 中止(Covid-19のため) | ||
3月 | A | 部位間違い・患者間違いのRCA | 23名 | 中川 |
その他の講習会
※医療安全講習会,SM講習会等のテーマ,又は単独で
医療安全に関する講習会は他職種から募る。
(自分の時間で参加し他部門とのコミュニケーションを図る)
特別症例検討委員会
重大事故または,それに成り得る事故が発生し院長の指示があった場合に企画する。
月日 | 検討事例 | 出席者数 |
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10月5日 | ECMO送血管挿入時に血管損傷をきたした事例 | 27名 |
12月9日 | 来院6時間後に大動脈解離をきたした事例 | 53名 |
3月15日 | CMO送血管挿入時に血管損傷をきたした事例(No2)外部委員参加 | 34名 |
M&Mカンファレンス
月日 | 担当診療科 | 検討事例 | 出席者数 |
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6月30日 | 消化器外科 | 術中の腹腔内タオル異存症例 | 35名 |
6月30日 | 呼吸器内科 | 麻薬急速指示・投与症例 | 22名 |
7月30日 | 耳鼻咽喉科 | 喉頭摘出・両側頸部郭清術施行後永久気管孔造設7日目にSpO2低下・意識レベル低下が生じた事例 | 57名 |
7月30日 | 放射線診断科 | PE所見の見落とし事例 | 25名 |
8月30日 | 産婦人科 | キーパーソン不在での緩和医療での意思決定困難事例 | 34名 |
8月30日 | 小児新生児科 | 超低体重児におけるPIカテーテルの動脈留置事例 | 34名 |
9月29日 | 歯科口腔外科 | 全身麻酔科の術中に器具による口唇熱傷発症事例 | 61名 |
9月29日 | 放射線治療科 | 精神的不安の強い患者が多飲により水中毒を発症した症例 | 61名 |
10月29日 | 泌尿器科 | 術後抗凝固薬を再開し消化管出血を起こして死亡した症例 | 38名 |
10月29日 | 麻酔科 | 前投薬投与患者の独歩での手術室入室 | 39名 |
11月29日 | 総合科 | 菌血症患者を帰宅させ翌日緊急入院した症例 | 31名 |
11月29日 | 呼吸器外科 | 右中下葉切除後誤嚥により呼吸状態悪化し死亡した症例 | 33名 |
12月21日 | 消化器肝臓内科 | 消化管穿を見過ごし帰宅させようとし4病日に死亡した症例 | 57名 |
12月21日 | 脳神経外科 | ドパミン負荷試験中,肺塞栓を発症し死亡した症例 | 57名 |
1月27日 | 乳腺内分泌外科 | 術後消化管穿孔を発症した症例 | 31名 |
2月25日 | 脳神経内科 | 便秘傾向のパーキンソン病患者,株消化管穿孔・穿孔性腹膜炎により死亡した症例 | 43名 |
2月25日 | 心臓血管外科 | 術後5日目に感染により死亡した症例 | 43名 |
3月30日 | 腎臓高血圧内分泌内科 | 慢性腎臓病の非代償期に腹膜透析カテーテル留置術時の高K血症 | 27名 |
3月30日 | 救命救急科 | 重症肺気腫患者の救急搬送後,腹腔内Free airの見過し | 27名 |
その他
誰かが何かをやってくれるはずではなく,自らが当事者となって考えていく視点を持ったチームを作ることを根底の考え方とする。(自律した仲間を増やす)
セキュリティ講習会
- 全職員
- 新人・中途採用者・復職者
- 6月医療安全講習会において実施
- 個人情報保護と守秘義務について
事故に関する対応
- 4月14日
- 転倒転落予防WG設置 初回開催
基準等の作成
- 5月10日
-
時間外・休日帯の死亡診断書の対応
時間外・休日帯のRRSの対応 - 5月19日
- 時間外・休日帯のオンコール体制
- 6月16日
- 緊急事態放送 コード・シルバー設置
ヒヤリハット通信
- 4月21日
- No.70 効果的な“チーム医療”実施のためのツール<チームステップスを知ろう>
- 6月7日
- No.71 インシデント・アクシデントレポートの記載方法
- 10月8日
- No.72 MRI疑義紹介事例
- 1月27日
- No.73 Good job症例報告依頼
- 3月24日
- No.74 医療安全・感染対策オリエンテーションの受講
医療安全注意報
- 5月12日
- No.42 相互ご接続防止コネクタの導入について
- 8月16日
- No.43 フローサイン使用の注意点
- 9月16日
- No.44 やってはいけない急速投与
お知らせ
- 4月2日
- 病院で働く職員に向けた臨床倫理受講依頼
- 4月27日
- インフォームドコンセント時のICテンプレート使用の徹底について(医師・看護師)
- 4月30日
- インシデント・アクシデントレポート提出依頼(昨年度提出件数)(医師)
- 5月15日
- Vol.2 RRS Thank you for calling
- 5月17日
- 医療安全週間について
- 5月20日
- 救急診療体制変更に伴う夜間・休日帯の死亡診断書作成対応について
- 5月21日
- 時間外・休日のオンコール診療科入院患者の対応
- 6月1日
- ポケットマニュアル修正・追加
時間外・休日帯の死亡診断書の対応
時間外・休日帯のRRSの対応 - 6月7日
- M&Mカンファレンス開催について
- 6月10日
- Vol.3 RRS Thank you for calling
- 6月19日
- 時間外・休日帯のオンコール体制
- 6月22日
- CVC実施医・指導医不在診療科のCVC挿入に関する取り決め
- 7月5日
- インフォームドコンセント時のICテンプレート使用の徹底について(医師・看護師)
- 7月21日
- 事故防止マニュアル新旧対象表
- 7月26日
- コード・シルバー周知
- 7月28日
- 緊急院内放送分の追加について
- 8月2日
- ポケットマニュアル修正・追加
コード・シルバー(追加)
時間外・休日のオンコール診療科入院患者の対応(訂正)
輸血施行前のドリル式ダブルチェック(訂正) - 8月20日
- 心肺蘇生実技講習会開催方法(医局長)
- 9月15日
- Vol.4 RRS Thank you for calling
- 10月20日
- 医療安全週間について
- 11月11日
- Vol.5 RRS Thank you for calling
- 12月21日
- 心肺蘇生実技講習会実施依頼
- 12月23日
- Vol.6 RRS Thank you for calling
- 1月13日
- 転倒・転落ポスターのご活用のお願い
- 3月15日
- 転倒転落予防策の決定と情報共有について
転倒転落予防他職種カンファレンス開催について - 3月28日
- 救急管理方法について
- 3月30日
- 転倒転落アセスメントシート改訂について
その他
- 5月10日
- 心肺蘇生実技講習会指導者研修(看護した対象) 受講者20名
令和3年度調査
ICに同席が必要な各科特有(各科共通以外)な項目について
インシデント・アクシデント・不具合事象(合併症)報告件数
令和3年度
インシデント・アクシデント件数(平成26年度~令和2年度)

事例の分類

当事者の職種

影響度分類

予薬準備発生要因

予薬準備内容内訳

転倒転落スコアー

医療安全管理指針
医療安全管理指針[460KB]安全行動目標
令和4年度安全行動目標
「記憶」より「記録」に残そう“確実に”
私たちが優先して守らねばならないのは自分の身分や立場,職場の人間関係などではなく 「患者さんの安全」です。
安全確保のために必要な意識や環境
- 一人一人のプロ意識
- ルールを守る倫理観
- 確認行動・情報共有と報告義務の徹底
- 各職種の役割を理解し協同するチーム医療
- 危険について誰もが発言できる職場環(重要なことを伝えても軽視された場合,もう一回伝える2チャレンジルールの徹底)
- 危険に関する申し出を即確認する上司の姿勢(タイムアウトの実施)
- きれいな職場環境(5Sの徹底)
重要な確認行動
- ダブルチェック
- 準備で有効
- 2秒ルール
- 行為施行直前に有効
- 声だし・指差し
- 準備・行為施行直前有効