診療内容
白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液がんに加え、再生不良性貧血や血小板・凝固異常症などの良性疾患、さらに原因検索を要する原発不明がんに対しても診療を行っています。
外来および入院による診療体制を整え、造血幹細胞移植(自家移植・同種移植)についても適応に応じて実施しており、診断から治療、移植後のフォローアップまで一貫した医療提供に努めています。
診療にあたっては、輸血細胞治療センター、臨床検査部、放射線治療科、薬剤部などと緊密に連携し、安心かつ安全な医療の提供を心がけています。
詳しい診療内容は「対象疾患と診療の流れ」および「専門外来のご案内」をご覧ください。
特徴・特色
当科では、急性白血病の発症時や血小板減少・凝固異常に伴う出血傾向など、緊急性を要する症例にも夜間・休日を含め速やかに対応しています。
また、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に対する血漿交換療法の実施や、免疫性血小板減少症(ITP)、後天性血友病などに対する治療薬の選択肢を拡充し、早期の治療介入が可能な体制を整えています。
再発・難治B細胞リンパ腫に対するCAR-T療法や、自家移植・同種移植を含む造血幹細胞移植にも取り組んでおり、安全性に配慮した治療前後管理を実践しています。
化学療法、免疫療法、放射線治療を組み合わせ、患者さんの病態に応じた治療を提供しています。
さらに、臨床試験や新たな治療法の導入にも継続して取り組み、標準治療に加えて将来の治療選択肢をご提案できる体制を整えています。
地域の医療機関と連携し、板橋区、練馬区、豊島区、北区、足立区を中心に、東京都内および埼玉県南部・南西部を含む広域の血液診療を担っています。
診療体制
当科では、外来診療と急性期入院治療を組み合わせ、病状に応じた柔軟な治療提供を行っています。
診断後の治療方針については、かかりつけ医と情報を共有し、必要に応じて当院での治療に移行いたします。
入院治療を行った患者さんに対しては、治療後も血液・腫瘍内科外来で継続的なフォローアップを行い、地域の医療機関と連携しながら経過を見守ります。
また、血液疾患(特に白血病、悪性リンパ腫)や一部の固形がんに関するセカンドオピニオンにも対応しており、治療選択に関するご相談をお受けしています。
専門外来のご案内
血液内科外来
貧血、白血球の異常、血小板の異常、血液凝固異常などを指摘されて受診された患者さんに対し、当科で必要な検査を行い、診断および治療の方針を検討いたします。
治療が必要な場合には、外来または入院で対応し、治療内容や経過について丁寧にご説明いたします。
かかりつけ医での継続治療が適している場合には情報共有を行い、連携して診療を行っています。
腫瘍内科外来
かかりつけ医や他診療科でがんと診断された患者さんを対象に、治療方針の検討や全身管理を行っています。
標準治療が難しい場合や複数の疾患が重なる場合、臓器別の診療科のみでは対応が難しい重複がんや原発不明がんに対しても、各診療科と連携しながら最適な治療をご提案します。
CAR-T外来
再発・難治性のB細胞性悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫など)を対象に、CAR-T療法の適応評価、治療前後の管理を行っています。
治療適応については、現在診療を受けている主治医の先生と連携しながら検討いたしますので、まずは主治医の先生にご相談ください。
当科のCAR-T療法についての詳細は、院内の【CAR-T療法 特設ページ】をご覧ください。
また、主治医の先生や医療機関の方につきましては、【CAR-T療法 特設ページ】内にご紹介方法を掲載しておりますので、ご参照ください。
血小板・凝固異常外来
血小板減少症(免疫性血小板減少症など)や凝固異常症(後天性血友病など)、血栓性疾患の診断と治療を行っています。
出血傾向や血栓症の評価、治療薬の調整を含む外来フォローを実施し、必要に応じて入院での治療に移行できる体制を整えています。
病状の安定化後はかかりつけ医との連携のもとで継続診療を行うことも可能ですので、ご相談ください。
対象疾患と診療の流れ
白血病(急性白血病、慢性白血病)
貧血、出血傾向、発熱などの症状や健康診断等での血液検査異常を契機に発見・受診されることが多い疾患です。
血液検査、骨髄検査(骨髄穿刺/骨髄生検)などにより診断し、急性白血病では速やかに入院治療へ移行します。慢性白血病では、病型に応じて外来治療を行う場合もあります。
治療後は合併症管理を含めて、外来で継続的に治療/フォローアップを行います。
悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫, 末梢性T細胞リンパ腫など)
首や脇のリンパ節腫脹、発熱、体重減少などが症状としてみられることがあります。血液検査や画像検査、リンパ節生検などにより病型を確定し、抗がん薬治療を中心に治療を行います。
再発・難治例に対しては、自己造血幹細胞移植やCAR-T療法なども適応に応じて行います。
多発性骨髄腫
骨折に伴う背部痛や貧血、腎機能障害や高カルシウム血症などを契機に発見されることがある疾患です。
血液検査、尿検査、骨髄検査、画像検査などを組みあわせ、抗体療法や免疫調整薬を併用した薬物治療を行います。
治療選択や長期管理について患者さんごとに計画を立てます。
骨髄異形成症候群(MDS)
貧血や白血球・血小板減少を契機に診断されることが多い疾患です。
病型やリスクに応じて外来治療を行う場合、造血幹細胞移植を検討する場合があります。
定期的なフォローアップを行い、病勢の変化に応じて適切な治療介入を行います。
再生不良性貧血
骨髄の造血機能が低下し、貧血、感染症の増加、出血傾向などがみられます。
年齢や病状に応じて、免疫抑制療法(ATG〔抗胸腺細胞グロブリン〕を含む)や造血幹細胞移植を検討・実施します。
発作性夜間血色素尿症
造血幹細胞の遺伝子変化により、細胞表面の保護タンパクを固定するGPIアンカーが欠損し、赤血球が補体に攻撃されやすくなる病気です。
その結果、血色素尿、貧血、血栓症などがみられることがあります。補体阻害薬を中心とした薬物治療を行います。
血小板・凝固異常症
免疫性血小板減少性紫斑病 (ITP)を含む血小板減少症や血小板機能異常、後天性血友病A・Bや血友病などの凝固異常等の診断と治療を行っています。
出血傾向や血栓症の評価、治療薬の調整を行い、必要に応じて入院での治療に移行します。
状態が安定した場合には、かかりつけ医と連携して診療を継続します。
緊急でのご対応が必要な患者さんについて
急性白血病の初発や白血球減少による重症感染症、血小板減少に伴う出血、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)など、緊急性を要する血液疾患に対して、当科では夜間・休日を含め迅速な対応を行っています。
医療機関の先生方で、緊急の治療判断を要する患者さんがおられましたら、
下記までご相談ください。
緊急時のご相談(医療機関向け)
当院代表番号:03-3972-8111
「血液・腫瘍内科の緊急対応」または「救急外来」宛にお申し付けください。
診療実績
-
- 急性白血病(新来)
- 15件
- 慢性骨髄性白血病/
骨髄増殖性腫瘍(新来) - 41件
- 悪性リンパ腫(新来)
- 111件
- 多発性骨髄腫(新来)
- 16件
- 骨髄異形成症候群(新来)
- 31件
-
- 急性白血病(新来)
- 17件
- 慢性骨髄性白血病/
骨髄増殖性腫瘍(新来) - 14件
- 悪性リンパ腫(新来)
- 105件
- 多発性骨髄腫(新来)
- 22件
- 骨髄異形成症候群(新来)
- 31件
-
- 急性白血病(新来)
- 17件
- 慢性骨髄性白血病/
骨髄増殖性腫瘍(新来) - 41件
- 悪性リンパ腫(新来)
- 87件
- 多発性骨髄腫(新来)
- 29件
- 骨髄異形成症候群(新来)
- 23件
-
- 急性白血病(新来)
- 22件
- 慢性骨髄性白血病/
骨髄増殖性腫瘍(新来) - 49件
- 悪性リンパ腫(新来)
- 130件
- 多発性骨髄腫(新来)
- 21件
- 骨髄異形成症候群(新来)
- 24件
- 関節リウマチ(新来)
- 197件
- シェーグレン症候群(新来)
- 167件
- 全身性エリテマトーデス(新来)
- 51件
- 皮膚筋炎/多発筋炎(新来)
- 26件
- ANCA関連血管炎/
中小血管炎(新来) - 31件
-
- 急性白血病(新来)
- 19件
- 慢性骨髄性白血病/
骨髄増殖性腫瘍(新来) - 39件
- 悪性リンパ腫(新来)
- 90件
- 多発性骨髄腫(新来)
- 29件
- 骨髄異形成症候群(新来)
- 14件
- 関節リウマチ(新来)
- 178件
- シェーグレン症候群(新来)
- 124件
- 全身性エリテマトーデス(新来)
- 30件
- 皮膚筋炎/多発筋炎(新来)
- 16件
- ANCA関連血管炎/
中小血管炎(新来) - 30件
-
- 急性白血病(新来)
- 18件
- 慢性骨髄性白血病/
骨髄増殖性腫瘍(新来) - 44件
- 悪性リンパ腫(新来)
- 85件
- 多発性骨髄腫(新来)
- 19件
- 骨髄異形成症候群(新来)
- 24件
- 関節リウマチ(新来)
- 198件
- シェーグレン症候群(新来)
- 154件
- 全身性エリテマトーデス(新来)
- 80件
- 皮膚筋炎/多発筋炎(新来)
- 32件
- ANCA関連血管炎/
中小血管炎(新来) - 26件