診療内容
麻酔科は中央手術室での手術麻酔およびペインクリニック外来で難しい痛みの治療を行っています。
- 全身麻酔,硬膜外麻酔,脊髄くも膜下麻酔,エコーガイド下末梢神経ブロックなどを用いて,麻酔管理を行なっています。手術を受ける方への麻酔科医による診察は通常は手術前日に行いますが,入院前にも,周術期外来にて麻酔科医による診察を行い,,麻酔計画を策定しています
- ペインクリニックではおもに頭痛,顔面痛,腰下肢痛,頸肩腕痛,術後痛,がんの痛みなど多種の侵害受容性痛や神経障害性痛の治療に加え,眼瞼,顔面痙攣へのボトックス治療も行っています
特徴・特色
年間6000例を越える手術の麻酔管理を安全かつスムースに周術期管理に努めています。術後鎮痛のための硬膜外ブロックなどの神経幹ブロックをはじめとして,薬物や病態による出血傾向が認められる症例ではエコーガイド下末梢神経を積極的に応用し,良好な鎮痛とともに術後合併症予防に努めています。
患者さんの自律性を尊重したオピオイドの導入および服薬指導などを行います。痛み以外の症状および終末期を過ごす場合の選択などについては,日本大学板橋病院緩和ケア委員会下部組織『緩和ケアチーム』のコンサルテーションを受けて総合的なサポートを行います。在宅の患者さんの場合は,主治医のご紹介によりご相談をお受けしています。
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛は年間約100例の実績があり,発症後間もない時期は積極的に神経ブロックを行います。顔面,頭頸部,上肢に対しては星状神経節ブロック,体躯,下肢に対しては硬膜外ブロックなどです。皮膚症状が治って神経痛が残った時は,神経ブロックと併用して必要な場合は低出力レーザー治療,低周波治療,イオントフォレーシス,良導絡などによる治療を行います。
顔面神経麻痺
顔面神経麻痺は年間約30例で,発症直後に受診した場合は星状神経節ブロックにより短期間で軽快しますが,高度の麻痺や発症後長時間経過した症例は,他の治療法を併用しても治癒に時間がかかります。
難治性術後痛
難治性術後痛は年間約20例で,創部痛などで手術後の痛みのためにQOLが損なわれているケースには神経ブロック等による治療を行います。
癌性疼痛
癌性疼痛は年間約120例で,原則として主治医から依頼された当院に入院および通院中の癌患者さんを対象としています。
診療体制
受診を希望される患者さんは紹介状を用意していただき,受診前に必ず電話で予約をしてください。
外来は毎日1~2名の医師が診療にあたっています。受診前の電話によるご相談もお受けしています。
手術の麻酔は,術前に麻酔専門医が執刀医と密に連絡を取り麻酔方法を決定します。手術の前日に患者さんの病室を訪問して麻酔方法を説明した上で質問を受け,安心して手術を受けていただくようにしています。
また,夜間,休日の緊急手術においても万全を期しています。
診療実績
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- 全身麻酔件数
- 5,671件/年
- 区域麻酔件数
- 329件/年
- ペインクリニック件数
- 40〜60件/日
- 痛みセンター件数
- 60件/年