神経筋機能検査室

脳波検査

(1) 成人脳波(覚醒時)判定基準
・閉眼時の脳波はα波およびα波よりも周波数の多い速波によって構成され、徐波としては、ごく少量の
 θ波が散在する程度で、明瞭なθ波やδ波は出現しない。
・α波や速波は正常の分布(局在)を示す。
・左右対称部位の脳波の振幅に20~30%以上の差がない。
・左右対称部位の脳波の周波数に、波の持続(周期)にして10%以上の差がない。
・α波は、開眼、知覚刺激、精神活動などに反応して減衰する。
・α波や速波が異常な高振幅を示さない。
・棘波、鋭波などの突発波(突発異常波、発作波)が出現しない。


(2) 基礎波の年齢発達
新生児期

部位的組織化も律動波形も見られない。低振幅δ波が主体。

1~2ヵ月

中心部に4~6 Hzの律動がわずかに出現し始める。

3ヵ月

δ波成分が減少し、中心部に5~6 Hzのθ律動が明らかになる。
また、約4 Hzのθ波が後頭部に出現。

6~8ヵ月

頭頂部、後頭部に5~7 Hzのθ律動が出現し、漸次増加。

10ヵ月~1歳

後頭部に7~8 Hzのθ律動が出現し、3 Hz以下の徐波はかなり減少。

3歳

後頭部8~9 Hzα律動が確立し、開閉眼に反応。δ波はさらに減少。

6歳

α波がさらに増加。4~7 Hz徐波が減少し、その振幅も減少。

8~9歳

α律動において10~12 Hzα2成分が増加。α律動の振幅は減少傾向をみせる。成人脳波に近づくが、約6 Hzのθ波の混在がみられる。

11~12歳

10~12 Hz、30~50μV α律動が安定して出現、ほぼ成人脳波に到達。

18歳

完全に成人脳波が完成。

                 
臨床脳波を基礎から学ぶ人のために 日本臨床神経生理学会

神経伝導速度検査

運動神経伝導検査(MCS)

 

伝導速度(m/s)

遠位潜時

CMAP振幅(mV)

正中神経(Median)

50~70

<4.0

>5

尺骨新駅(Ulnar)

50~70

<3.0

>5

脛骨神経(Tibial)

40~60

<5.0

>5

腓骨神経(Peroneal)

40~60

<4.0

>2

感覚神経伝導速度検査(SCS)

 

伝導速度(m/s)

SNAP振幅(μV)

正中神経(Median)

50~70

>10

尺骨神経(Ulnar)

50~70

>10

腓腹神経(Sural)

40~60

>5

F波伝導速度検査

 

最短潜時(ms)

出現頻度(%)

正中神経(Median)

<28

 

尺骨神経(Ulnar)

<28

 

脛骨神経(Tibial)

<50

100

腓骨神経(Peroneal)

<50

 

誘発筋電図(反復刺激)

第5刺激のCMAPの振幅減衰率が10%以上のとき、漸減現象陽性とする

聴性脳幹反応(ABR)

(1) 脳幹機能の把握を目的とする場合

基準範囲(ms)

Ⅰ‐Ⅲ

Ⅲ‐Ⅴ

Ⅰ‐Ⅴ

1.6±0.1

2.8±0.1

3.8±0.1

5.0±0.2

5.8±0.2

2.2±0.1

1.9±0.1

4.1±0.2

臨床神経生理学的検査マニュアル(1990 年版)

(2)他覚的聴力検査を目的とする場合
30dB nHL 以上の音圧でV波の消失が認められた場合は難聴を疑う。

視覚誘発電位(VEP)

パターンVEP

P100:陽性波、104.2 ± 6.4ms(mean ± SD)
P100 潜時の左右差が10ms以上の場合は優位な所見とする

フラッシュVEP

波形の欠如、著名な高振幅、あるいは左右差のいずれかを認める場合を異常とする

一般財団法人日本臨床衛生検査技師会 神経生理検査技術教本.株式会社じほう

体性感覚誘発電位(SEP)

上肢S-SEP

基準範囲(平均ms±1SD)

刺激側

Erb N9

Spinal N13

P9

P11

P13/P14

N18

N20

左正中

9.3±0.6

12.9±0.7

8.4±0.5

10.8±0.7

13.0±0.6

16.5±0.8

18.8±0.7

右正中

9.4±0.6

13.0±0.6

8.5±0.5

10.9±0.6

13.0±0.6

16.5±0.8

18.8±0.7


頂点間潜時基準範囲(ms)

刺激側

N9‐P11

P11-P14

P14-N17

N17-N19

P9-P13/P14

P9-N17

P9-N19

N13-N20

左正中

2.1±0.5

2.3±0.6

3.7±0.6

1.5±0.4

4.3±0.6

8.0±0.5

9.6±0.5

5.4±0.5

右正中

2.1±0.4

2.3±0.6

3.6±0.6

1.5±0.4

4.5±0.6

8.1±0.5

9.6±0.6

5.3±0.5

上肢長潜時SEP

上肢長潜時SEPは覚醒水準、注意水準、鎮静作用を持つ薬物などの影響で変動しやすいため、正常値は定めていません

下肢S-SEP

潜時の評価は困難のため、波形の欠如や明らかな左右差が認めた場合異常と判断

臨床神経生理学的検査マニュアル(1990年版))臨床脳波学第4版
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