劇症肝炎
高い死亡率を有する重症型肝炎。犬山シンポジウム(1981年)では,「肝炎のうち症状発現後8週以内に肝性昏睡のⅡ度(Sherlock分類)以上の脳症をきたし,プロトロンビン時間40%以下を呈するもの」と定義されている。通常は,薬剤による中毒性やアレルギー性、そして肝炎ウイルスによって引きおこされた肝炎をいう。発病前に慢性肝炎,肝硬変,肝癌などの慢性肝疾患がある場合は除外される。発病後10日以内に脳症が発現する急性型と,それ以後に発現する亜急性型があり,亜急性型の方が予後不良である。英国では60%が薬剤性(アセトアミノフェン)のため劇症肝不全(fulminant hepatic failure)と症候名で呼ばれるが,わが国では原因の90%以上がウイルス性である。