頚椎症性神経根症
頚椎の変性した椎間板や骨棘などによって神経が圧迫された状態です。(図1)
頚部痛ならびに片側上肢の痛み・痺れが特徴的です。神経の圧迫が強いと上肢の筋力低下を生じることがあります。
図1:C5/6高位の椎間孔内ヘルニアを認めます。通常のMRIで診断が難しい椎間孔内ヘルニアに対して当院では斜位像を含むMRI撮影を施行しています。
[治療]
- 保存療法
痛みに応じた鎮痛薬を内服して効果を確認します。痛みが強い場合には、圧迫されている神経に直接鎮痛薬を投与する神経根ブロックが有効です。当院ではエコー装置を用いて愛護的に神経根ブロックを行っています。
- 手術療法
保存療法で改善しない強い痛みがある場合や上肢の筋力低下が出現している場合には手術療法が有効です。当院では正常な組織は極力温存し、神経を圧迫している骨棘やヘルニアを後方より切除する顕微鏡下椎間孔拡大術を主に行っています。(図2)前方除圧固定術と比べて、固定した前後の椎間に変性が生じる隣接椎間障害が生じにくい利点があります。
図2:後方から神経を避けてヘルニアを摘出しています。