腰椎椎間板ヘルニア
腰椎の椎間板が脊柱管内に突出し、神経が圧迫されて発症します。(図1)
腰痛ならびに片側の下肢にかけての痛み・痺れが特徴的です。神経の圧迫が強いと筋力低下や膀胱直腸障害が生じることがあります。
図1:L4/5高位の巨大な椎間板ヘルニア
[治療]
- 保存療法
約8割のヘルニアは自然消退すると言われており、内服加療や理学療法などの保存的加療を行います。痛みが強い場合には、ヘルニアにより圧迫されている神経に直接鎮痛薬を投与する神経根ブロックが有効です。(図2)
図2:L5神経根への選択的神経根ブロック
- 椎間板内酵素(ヘルニコア)注入療法(図3)
当院では保存療法と手術療法の中間的な位置づけとして椎間板内酵素注入療法を導入しています。椎間板内に酵素を含んだ薬剤(ヘルニコア)を直接注射して、ヘルニアによる神経の圧迫を弱める方法です。当院では患者様の要望に応えて土曜日投与を原則とし週末を利用した一泊二日の入院で行っています。ヘルニアの種類によっては適応外となりますので詳しくは担当医にご相談ください。
図3:透視装置を使用しながら愛護的に椎間板内に刺入します。
- 手術療法
保存療法で改善しない強い痛みがある場合や筋力低下・膀胱直腸障害が出現している場合には手術療法が有効です。当院では顕微鏡を駆使して筋肉を温存した最小侵襲かつ安全で正確なヘルニア摘出術を行っています。また症例に応じて全内視鏡下手術にも対応しています。