基底細胞癌
1)特徴
- 原因は紫外線のことが多いですが,放射線、外傷、瘢痕(古傷)が原因となることもあります。
- 他の臓器に転移することはきわめてまれで,生命を脅かすことはほとんどありませんが,大きくなっていくと次第に周囲の組織を壊してしまいます。顔に生じることが多いため,眼や鼻などに影響が出てしまうことがあります。
2)症状
痛みなどの自覚症状はありません。洗顔や髭剃りで軽く擦っただけで出血し,かさぶたを作ることがあります。
3)診断
- ダーモスコピー検査
特殊な拡大鏡で観察し,基底細胞癌のおおよその診断が可能です。
- 皮膚生検(病理検査)
基底細胞癌を疑った場合,局所麻酔下に腫瘍の一部分を採取して病理検査にて確定診断します。
4)ステージ分類
- 基底細胞癌には他の悪性腫瘍で設定されているようなステージ分類などの評価項目はありません。
5)治療
- 外科的治療(手術)
手術が第一選択の治療となります。腫瘍から3~5 mmの距離をとって切除します。 - 放射線治療,外用化学療法,液体窒素凍結療法
手術で取り切れないような場合や,何らかの理由で手術が困難な場合は上記治療を選択することがあります。