尋常性天疱瘡 じんじょうせいてんぽうそう

1)特徴

  • 原因は不明です。
  • 年齢分布では60歳代に多い。
  • 性別は1:5で女性に多い。
  • 口腔粘膜のびらん,潰瘍が初発症状であることがほとんどです。その他,全身の皮膚にも水疱を生じますが,背部,臀部,足など圧迫や機械的刺激を受けやすい部位に好発します。
  • 抗デスモグレイン3抗体のみの場合は粘膜のみに水疱,びらんを生じる粘膜優位型尋常性天疱瘡となります。抗デスモグレイン3抗体と同時に抗デスモグレイン1抗体が存在する場合は粘膜のみならず全身の皮膚にも水疱を生じる粘膜皮膚型尋常性天疱瘡となります。

2)症状

 口腔粘膜や全身の皮膚に水疱が生じます。

 水疱は容易にやぶれてびらんや痂皮を形成し,痛みを伴います。

3)診断

 診断には皮膚生検が必要です。また血液検査で血液中の自己抗体を調べます。

  • 皮膚生検

 病変部皮膚を一部採取し,顕微鏡レベルの観察により診断を行います。また,皮膚検体の一部を蛍光抗体直接法に提出し,自己抗体の沈着があるかを確認します。

  • 血液検査

 血液検査で自己抗体を調べます。

4)重症度の評価

  • PDAI (Pemphigus Disease Activity Index)

 水疱・びらんや紅斑の個数,大きさ,部位から重症度を算出し,病勢の評価に用います。

5)治療

  • 外用療法(塗り薬)

 副腎皮質ステロイド軟膏や抗生物質含有軟膏が用いられますが,通常外用療法のみでの治療は困難です。

  • 内服療法(飲み薬)

 ステロイドの内服が基本的な治療になります。病勢が強い場合や,ステロイドの内服量を漸減することで水疱や紅斑が再燃する場合は,下記の治療を併用する ことがあります。

  • ステロイドパルス療法(高用量ステロイドの注射の治療)
  • 血漿交換療法(太い血管にカテーテルを挿入して行う透析の治療)
  • アザチオプリンなどの免疫抑制剤(内服の治療)
  • 免疫グロブリン大量静注療法(注射の治療)

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