胆管炎
胆管炎とは
肝臓から分泌される胆汁は胆管を通り十二指腸に分泌されます。この胆管に感染が生じた状態を胆管炎といいます。
原因
胆汁の流れが停滞すると細菌感染が起こり胆管炎を発症します。
停滞する原因としては悪性腫瘍(胆管癌、乳頭部癌、膵頭部癌)や結石(総胆管結石、肝内結石)、良性胆管狭窄(硬化性胆管炎、術後胆管)があります。
症状
- 発熱
- 黄疸(白目や皮膚が黄色くなり、尿が褐色になります。)
- 灰白色便(腸に胆汁が流れなくなるため便が白くなります。)
- 右季肋部痛(右上腹部の痛み)
診断
発熱、黄疸、右季肋部痛などの症状に加え、血液検査で炎症上昇(白血球上昇、CRP上昇)や肝胆道酵素上昇(ビリルビン、AST、ALT、ALP、γ-GTP)があり、画像検査(CT、MRI、腹部超音波検査など)で胆管閉塞所見(胆管拡張、悪性腫瘍や結石など原因となる所見)を認めた場合、胆管炎の診断となります。
治療
胆管炎の初期治療は禁食、輸液、抗生剤投与です。これに加え胆汁の流れを良くするため、胆管にチューブを挿入して、胆汁の流れを促す治療(ドレナージ)が必要になります。ドレナージの方法は①内視鏡的ドレナージ、②経皮経肝的ドレナージ、③外科的ドレナージがあり、ガイドライン上、内視鏡的ドレナージが推奨されております。
当科ならではの胆管炎診療
当院では内視鏡的ドレナージ術の経験が豊富で、24時間体制で内視鏡的ドレナージを施行できる体制を整えています(図)。また、胃切除後や膵頭十二指腸切除後、肝外胆管切除後といった術後腸管への小腸鏡を用いた内視鏡的ドレナージも行っております。
図 総胆管結石による急性胆管炎に対するプラスチックステントを用いた内視鏡的胆道ドレナージ術