重症胸腹部外傷
重症胸部外傷、重症腹部外傷がある。
重症胸部外傷には心損傷、胸部大動脈損傷、緊張性気胸などがある。
心損傷や胸部大動脈損傷がある場合、緊急開心術や開胸術が行われることがある。
本邦における心損傷、胸部大動脈損傷は鈍的損傷によるものが圧倒的に多い。心損傷は程度が軽ければ経過観察ですむが、重ければ緊急開心術となる。緊張性気胸であれば胸腔ドレナージを行う。胸部大動脈損傷は最も強固に固定されている左鎖骨下動脈分岐部直下の下行大動脈に好発する。大量血胸型では病院到着前に死亡する症例がほとんどであるが,縦隔血腫型では緊急開胸術により救命が可能なこともある。
重症腹部外傷は鈍的、穿通性に分けられるが、本邦では鈍的が多い。
肝損傷、脾損傷、腎損傷、腸管・腸間膜損傷、腹部大動脈損傷、横隔膜損傷など、腹腔内および後腹膜臓器損傷である。主に造影CTscanで診断し、必要な場合は開腹手術や経カテーテル的塞栓止血術などを行う。