潜在性二分脊椎症 せんざいせいにぶんせきついしょう

潜在性二分脊椎症(せんざいせいにぶんせきついしょう)は、発生段階の脊髄の癒合不全に基づく奇形性病変の総称です。この疾患では、70~80%の頻度で腰背部・臀部に異常毛髪や多毛、皮膚洞や皮膚陥凹などの皮膚異常が見られます。乳幼児では、皮膚の異常をきっかけに、CTやMRIなどの検査がおこなわれ、その結果として、病気が診断される場合が多いとされています。当院では、4か月未満の児に対しては、より侵襲の少ない脊髄超音波検査を用いて診断を行っています。

症状は脂肪種などで脊髄が牽引される係留脊髄症候群により起こります。排便障害(約70%)、下肢運動障害(約80%)、痛みなどの感覚障害(約80%)があります。両下肢の 運動障害として、足が動かない(麻痺)、足の変形、左右の足が非対称、足が細い、などがみられます。感覚障害として、靴ずれやその部の潰瘍、腰背部、下肢か ら足への放散痛や局所のしびれなどがあります。生まれて間もない時はこれらの神経症状がないことや、あっても見つからないことがあり、成人になってから生じることも少なくありません。皮膚陥凹などの臀部の所見を認める児に関しては、乳児期に脊髄超音波検査で確認しておくことが重要と考えられます。

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