母子感染 ぼしかんせん

当院では母子感染の診断,治療に対応しております。サイトメガロウイルス,風疹,トキソプラズマ,HIV,新型コロナウイルスなど多くの母子感染の母体,お子さんを診療しています。先天性サイトメガロウイルス感染症の児に対して6か月の抗ウイルス薬治療を行っており,長期的にフォローアップを致します。

母子感染症とは,妊娠中の母体に感染した病原体が胎児や新生児に広がり,児に感染症を引き起こすことです。母子感染症の問題は,

  • 先天異常をもった児が出生すること
  • 母体の症状は軽くても児は重症なことがあること
  • 後遺症(発達障害など)が残ること

です。

母子感染する病原体は数多くあり,感染する経路や時期も様々で,同じ病原体であっても感染が児に及ぼす影響も様々です。発症時期も胎内で発症するものから,成人期に発症するものまであり,重症度や発症率も様々です。

特に,経胎盤感染によって児に重篤な奇形や恒久的な臓器・神経・感覚器障害をきたす病原体の頭文字を取って名付けたものを,TORCH症候群とよびます。TはToxoplasma gondii(トキソプラズマ原虫),Oはothers(その他)ということで梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)などを含み,RはRubella virus(風疹ウイルス),CはCytomegalovirus(サイトメガロウイルス),そしてHはHerpes simplex virus(単純ヘルペスウイルス)です。

診断は病原菌によって異なり,保険適応のあるものもないものも混在しています。おもに診断に使われる検査には免疫グロブリンIgMがあります。母体のIgMは胎盤を透過しないため,胎児が病原体にさらされたときにはIgMを産生します。出生後早期の血中IgM測定は胎内感染症の診断においては,重要な意義を有しています。ただし,上昇していないから必ず胎内感染症が否定できるわけでありません。トピックスでは,先天性サイトメガロウイルス感染症の診断に尿中サイトメガロウイルス核酸検査が保険適応になったことがあります。生後3週間以内の尿でのみ確定診断に使用できます。

治療は先天性ヘルぺスウイルス感染症と先天梅毒は治療がほぼ確立しています。先天性サイトメガロウイルス感染症やトキソプラズマ感染症は保険適応された治療法はまだ確立していません。先天風疹症候群には抗ウイルス治療はありません。

TORCH症候群のなかで,ワクチンで予防できるものもあります。風疹は抗ウイルス治療がありませんが,ワクチンで予防が可能です。ほかにもサイトメガロウイルスやヘルペスウイルスのワクチンも研究が進んでいます。

母子感染は重症度も治療も様々であり,大切なことは予防です。すべての妊婦にすべてのTORCH感染症の実施しているわけではないため,妊婦もしくはその可能性のある方は,感染予防を心がけることで,胎児を感染から守ることができます。

  •  手指衛生を心がけましょう。(とくに兄弟のおむつ交換など)
  •  フォークやコップなど食器を共有したり,食べ残しを食べたりは避けましょう。
  •  生肉,生ハム,未殺菌ミルクや乳製品は避けましょう。
  •  ネコやげっ歯目の尿.糞には触れないようにしましょう。
  •  感染症症状のある人との接触は避けましょう。
  •  性交時はコンドームを使用しましょう。
外来診療受付時間
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