Wilms腫瘍(腎芽腫) ういるむすしゅよう(じんがしゅ)

胎生期の腎臓にある後腎芽細胞ががん化した悪性腫瘍です。11番染色体短腕13に座位するがん抑制遺伝子WT1がその発生に関わっています。

特徴

  • 小児期に腎臓に発生する腫瘍のうちWilms腫瘍が90%を占めており,残りの10%に間葉芽腎腫,悪性横紋筋肉腫様腫瘍,腎明細胞肉腫,腎細胞癌などがあります。
  • 性差はありません。日本でWilms腫瘍は年間100例前後発症しています。
  • 発症年齢は半数が2歳未満で発症し,ほとんどの症例が5歳未満で発症しています。
  •  Wilms腫瘍は25%の患者に合併奇形(停留精巣,尿道下裂,半身肥大,顔面骨変形,四肢変形,無虹彩症など)を認めており,WT1がその発生に関わっています。
  • Wilms腫瘍を発症することのある代表的な奇形症候群にはBeckwith-Wiedemann 症候群,WAGR症候群,Denys-Drash症候群などがあります。
  • 転移巣としては肺,肝臓,骨,脳,リンパ節転移が多いです。

症状

腹部膨隆,腹痛,肉眼的血尿,発熱,顔面蒼白,高血圧などがみられます。

診断

血液検査,尿検査

LDHの上昇,血清NSEの上昇,血中レニン活性の上昇がみられることがあります。尿検査では血尿を認めることがあります。

CT検査,MRI検査

原発巣の詳細や下大静脈への腫瘍塞栓の有無を確認するためや,遠隔転移を調べるために行います。

骨シンチグラフィー

骨転移がないかを調べるために行います。

FDG-PET検査

原発巣,転移巣の広がりを判断するために行います。偽陽性が多い検査なのでCTやMRIなど他の検査と組み合わせて行います。

腫瘍生検

最終的な確定診断には腫瘍の一部を手術で採取し顕微鏡で病理診断することが必要となります。病理では退形性(anaplasia)の所見がないものはfavorable histology(FH)といい予後が良好であり,退形成がある場合はunfavorable histology(UH)といい予後が不良です。Wilms腫瘍の約90%がFHです。退形成のあるWilms腫瘍の中でも,腫瘍の中に限局しているものを限局性,それ以外をびまん性といい,びまん性の方が予後は不良です。

ステージ分類

小児腎腫瘍では以下のようなNWTS(National Wilms Tumor Study Group)病期分類で病変の広がりを区分する。

病期1

腎に限局しており,完全摘除されている。

病期2

腫瘍は腎被膜を越えて進展しているが,完全摘除されている。

病期3

腫瘍が腹部の範囲で遺残している。

病期4

肺,肝,骨,脳などへの血行転移を認める。または腹部・骨盤以外のリンパ節に転移を認める。

病期5

初診時に両側腎に腫瘍を認める。この場合,左右それぞれの腫瘍について,上記判定基準に基づいて局所病期(1~3)を決定する。

治療

病期分類と病理組織の結果を合わせて治療を決定します。

病期Ⅰ,ⅡのWilms腫瘍

外科的切除,アクチノマイシンD/ビンクリスチンよる化学療法を約18週間行います。

病期ⅢのFHおよび病期Ⅱ,Ⅲの限局性HU

外科的切除,腹部放射線照射(10.8Gy)およびアクチノマイシンD/ビンクリスチン/アドリアマイシンによる化学療法を約24週間行います。

病期ⅣのFHおよび限局性退形成Wilms腫瘍

外科的切除,腹部放射線照射(10.8Gy)およびアクチノマイシンD/ビンクリスチン/アドリアマイシンによる化学療法を約24週間,肺転移例には両肺照射(12Gy)を行います。

病期Ⅱ~Ⅳのびまん性退形成Wilms腫瘍

外科的切除,腹部放射線照射(10.8Gy),ビンクリスチン/アドリアマイシン/エトポシド/シクロホスファミドによる化学療法を約24週間,肺転移例には全肺照射(12Gy)を行います。

参考文献

小児血液学会「小児血液・腫瘍学」

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