小児急性白血病 しょうにきゅうせいはっけつびょう

白血病は「血液のがん」です。血液は骨髄中の造血細胞から造られますが,この造血細胞に遺伝子などの異常が起こることで,正常でない細胞が過剰に増殖してしまい,正常に血液が造られなくなってしまう状態のことを言います。症状が急激に進行するものを急性白血病,ゆっくり進行するものを慢性白血病と呼んでいます。

特徴

  • 小児がんはまれな病気ですが,その中で急性白血病は最も多く,日本で1年間におよそ数百人のお子さんが発症している病気です。
  • 白血病にはさまざまな種類があり,白血病細胞の由来する血球細胞の種類により骨髄性とリンパ性などがあります。発症する割合は急性リンパ性白血病が約70%,急性骨髄性白血病が約25%です

症状

造血細胞の異常な増殖により,正常な血中細胞が造られないことで起こる症状が主となります。正常な白血球が減少したり,血小板が減少したり,貧血が起こったりするため,発熱,皮下出血・紫斑(紫色の皮疹),全身倦怠感,活気低下,乳児では哺乳不良などを生じます。悪性細胞が骨に浸潤することで,四肢の痛み(骨・関節痛)・骨折などが生じることもあります。また,悪性細胞が増殖することで,肝臓や脾臓,リンパ節が腫れたりすることがあります。

診断

血液検査

血液中に悪性細胞の出現がないかや,白血球の増加・減少,貧血や血小板減少がないかなどを確認します。

骨髄検査

血液を作っている組織である骨髄を調べ,悪性細胞がないかや造血の様子を確認します。主に腰骨の安全な部位を選んで針を刺し,骨の随(ずい)の組織を採取します。鎮痛剤・鎮静剤を用いて行います。

髄液検査

脳の周囲を流れている液体(髄液)に悪性細胞の浸潤がないかを調べます。髄液は脊髄周囲を流れて腰まで来ています。背骨と背骨の間の安全な部位を選んで針を刺し,髄液を採取します。鎮痛剤・鎮静剤を用いて行います。

治療

下記の多剤併用化学療法が治療の基本ですが,悪性細胞の種類や遺伝学的な異常,治療反応性などからリスクを評価した上で,複数の方法を組み合わせて治療を行います。

多剤併用化学療法

複数の種類の抗がん剤を併用して悪性細胞を減少させる方法が有効であることが分かっています。急性リンパ性白血病では,ダウノルビシン,ビンクリスチン,L−アスパラギナーゼ,シクロフォスファミド,シタラビン,メソトレキセート,メルカプトプリンといった薬剤を用います。急性骨髄性白血病の場合,エトポシドやシタラビン,ミトキサントロン,イダルビシンといった薬剤が主となります。

脳や脊髄に悪性細胞が浸潤する場合があります。その予防とすでに浸潤が見られる場合も,上記,髄液検査の方法で髄液中に抗がん剤を注入します(髄腔内注射)。

多くの場合,急性リンパ性白血病では最初の10ヶ月前後の間,入院で治療を行い,続けて1年半程度,外来治療を続けます。急性骨髄性白血病の場合は順調に進んだ場合で半年程度,入院治療を行います。

放射線療法

標準治療では行いませんが,中枢神経再発や難治性の場合,頭部および全脊髄に放射線照射を行う場合があります。

造血幹細胞移植

リスクの高い遺伝子異常がある場合や治療への反応性が悪い場合,治療後早期の再発例など,難治性の場合には,骨髄移植や末梢血幹細胞移植,臍帯血移植などの造血幹細胞移植を行う場合があります。

免疫学的治療

患者さんのリンパ球を賦活化して,悪性細胞への攻撃を増強させる方法である,二重特異性T細胞誘導抗体(ブリナツモマブ)やCAR-T(キムリア®️)といった新たな治療方法が開発されています。主に難治性の症例に用いられています。

分子標的治療薬

悪性細胞に特異的に出現している分子や遺伝子異常を標的として作用する新規薬剤が開発されてきています。例えば,FLT3遺伝子変異を標的としたギルテリチニブや,BCR-ABL遺伝子を標的としたイマチニブ,ポナチニブ,それから,チロシンキナーゼを阻害するダサチニブといった薬剤です。難治性の症例に用いられることが多いですが,抗がん剤と比較して副作用が少ないことが期待されています。

予後

悪性細胞の種類や遺伝子異常の種類,治療反応性によって予後には幅があります。小児の急性白血病で最も患者さんの数が多い急性Bリンパ芽球性白血病では約90%の長期生存率が得られています。

参考文献

  • 日本血液学会編. 血液専門医テキスト 第3版. 南江堂. 2017年
  • 日本小児血液・がん学会編. 小児血液・腫瘍学.診断と治療社. 2015年
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