再生不良性貧血 さいせいふりょうせいひんけつ

血液の血球成分である好中球,赤血球,血小板数が低下する病気です。白血球のうち,リンパ球数は通常変化しません。わが国の小児での発症は年間60-80人ととても少ない疾患ですが,欧米諸国と比べると発症頻度は高いです。

特徴

  • 病因として,遺伝性(先天性),二次性(肝炎後や薬剤性,ウイルス感染,SLEなど膠原病に伴うもの),特発性(後天性)に大別されます。ほとんどが特発性で,自己のTリンパ球による血液幹細胞の障害が原因です。
  • 急性の経過で重症型に進行するものと慢性の経過で中等症からゆっくり重症に進行するタイプがあります。中等症で輸血依存のものは発症早期から治療導入されます。中等症の輸血非依存の場合,早期の治療対象にはなりませんが,10年以内に多くが重症化します。
  • 特発性,二次性も治療方針は共通で,免疫抑制療法の奏功率も同等です。
  • 遺伝性の再生不良性貧血の代表がファンコニ貧血ですが,年間5名ほどが発症しています。治療は移植治療であり,移植前処置法が特発性と大きく異なるため,しっかりとした鑑別が必要です。その他にも遺伝性の再生不良性貧血はありますが,極めて稀で,遺伝子検査でも診断がつかない可能性があります。

症状

好中球は感染防御の中心的な役割を担っており,その減少により細菌や真菌の感染をきたし発熱します。赤血球が減少する(=貧血)と眼色不良,易疲労感を,血小板が低下すると出血症状(紫斑)をみます。遺伝性のものでは,皮膚症状(色素斑など),低身長,骨格異常(多指症など)を伴う場合があります。軽症や中等症では症状が軽く,わかりにくいことがあります。最重症では感染症により致命的となる場合がありますので,緊急の対応が必要です。

診断

病歴の聴取

感染症の既往,薬剤歴,家族歴,成長・発達歴。

身体診察

臓器腫大の有無,外表奇形の有無,感染巣の発見。

血算・血液像

網状球数,血球の形態異常や芽球の有無を確認。

血液検査

ウイルス感染の検索(EBV,CMV,パルボウイルス),抗核抗体,染色体断裂性試験,テロメア長など。

骨髄検査

顕微鏡で細胞密度,異形成や芽球の有無を調べることにより,悪性リンパ腫や急性白血病,骨髄異形成症候群,血球貪食症候群と鑑別します。低形成の場合,骨髄生検も行います。

画像検査

遺伝性のものでは骨格や内臓の異常を伴うことがあります。

遺伝子検査

遺伝性のものが疑われる場合,確定診断となります。

重症度分類

治療

支持療法

抗菌薬,G-CSF(Granulocyte Colony Stimulating Factor),輸血療法を行います。成人ではトロンボポエチン受容体作動薬も用いられます。ただ,輸血は鉄過剰症や抗HLA抗体の産生による血小板輸血不応・移植片の拒絶につながる可能性があるため,最小限にとどめます。Hbは0g/dL,血小板数は5,000~10,000/uLを維持するのが目安です。赤血球輸血が200mL/kgを超えた時点から経口キレート剤を開始します。

免疫抑制療法

重症以上の特発性再生不良性貧血で,HLAが一致した兄弟がいない場合に適応になります。シクロスポリン,抗胸腺グロブリン,ステロイドのお薬を使います。診断から免疫抑制療法開始までの日数が長いほど有効率が低下することから,ドナーの有無を確認後,速やかに治療を開始します。長期の奏功率は40-50%です。6か月の時点で不応であれば移植に踏み切りますが,「反応あり」の基準は,好中球 > 500,ヘモグロビン > 8.0,血小板 >30000 です。

造血幹細胞移植

HLA一致の兄弟が得られれば骨髄移植が第一選択です。免疫抑制療法に不応の場合は,非血縁ドナーからの骨髄移植を選択します。好中球数が0で,感染症を合併しているなど緊急時には臍帯血やHLA不一致の血縁者からの骨髄移植も検討します。どちらを選択するかは施設の経験や方針により異なります。 なお,非血縁ドナーからの移植までには最低でも4か月かかるので,診断時から非血縁ドナーのコーデイネートも開始しておきます。また,末梢血幹細胞移植は慢性の移植片対宿主病(GVHD)のリスクが増加するため選択しません。

予後

上記の治療を組み合わせることにより,95%の小児患者さんで長期生存が期待できます。ここが成人患者さんと大きく異なる点です。

参考文献

  • 日本血液学会編. 血液専門医テキスト 第3版. 南江堂. 2017年
  • 小児科診療. 2018増刊号「小児の治療指針」診断と治療社. 2018年
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