小児の白血球減少症 しょうにのはっけっきゅうげんしょうしょう

白血球は主に顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球),リンパ球,単球に分けることができ,血液検査においては単位体積あたりの総数(個/μL),及び各成分の割合として測定されます。一般的に白血球数 <3000/μLは白血球減少症と定義されます。小児において認めることが多いのはそれらの中でも好中球減少症であり,リンパ球や単球の減少症は比較的稀と言えます。特に,リンパ球減少を来す場合には主に免疫不全症に分類されます。

特徴

  • 白血球減少症は,白血球のみが減少する場合と,白血球以外の血球(赤血球や血小板)にも異常が生じる場合で大別されます。
  • 他の血球にも異常を認める場合には,骨髄異形成症候群や再生不良性貧血,急性白血病といった異形成疾患や,栄養障害,脾機能亢進症,膠原病なども鑑別に含める必要があります。
  • 先天性(遺伝性),または後天性の障害にも大別できます。
  • 後天性の白血球減少症の原因として多いのは,ウイルス感染や薬剤性,自己免疫性などによる一時的な減少であり,これらは自然経過で改善することもあります。
  • 1回の検査だけで診断を確定することはできません。正確な診断の為には,注意深い経過のフォローアップ,病歴の聴取,身体診察,そして検査が欠かせません。
  • 検査で繰り返し減少症が確認される場合や,肺炎などの重症感染症に反復して罹患し入院を必要とするような場合は,特に注意が必要です。

症状

白血球は感染防御の中心的な役割を担っており,減少により様々な感染症を引き起こします。原因微生物や重症度は白血球減少症の原因により様々です。好中球減少症においては,上気道炎や中耳炎が多く,咽頭扁桃炎,口内炎,膿痂疹,肛門周囲膿瘍,肺炎なども代表的です。先天性好中球減少症には,特徴的な症候(成長障害,神経発達障害,顔貌異常,聴力障害,骨格異常,脂肪便など)を伴うものもあります。

診断

病歴の聴取

重症感染症の既往・薬剤歴などを確認します。

身体診察

感染症を起こしている臓器,脾腫の有無,特徴的な身体所見の有無などを確認します。

血算・血液像

他系統の血球に異常がないか,確認します。

血液検査

感染症の検索(EBV,CMV,HIVなど),抗好中球抗体,免疫グロブリン,リンパ球サブセット,膵外分泌機能検査など。

骨髄検査

骨髄では造血幹細胞から種々の血球細胞が分化しており, 顕微鏡で調べることによって分化のどの段階に障害があるのか確認することができます。悪性疾患との鑑別にも有用です。

画像検査

骨異形成を伴う疾患もあり,エックス線検査を行う場合があります。

遺伝子検査

重症の先天性白血球減少症は遺伝子異常が原因となる場合も多数あり診断確定に重要な検査ですが,必ずしも全例で異常が検出できるわけではありません。

好中球減少症の分類 

  • 重症 (severe): 好中球数 500/μL未満
  • 中等症 (moderate): 好中球数 500〜1000/μL
  • 軽症 (mild): 好中球数 1000〜1500 /μL
  • 慢性 (chronic): 3ヶ月以上遷延する場合

治療

抗菌薬や抗真菌薬の投与

敗血症など重症な細菌感染症を併発している急性期には,速やかに点滴で抗菌薬を投与する必要があります。慢性期においては,ST合剤などの抗菌薬を予防内服することで感染症を予防します。

G-CSF(Granulocyte Colony Stimulating Factor)

好中球を分化・成熟させる薬剤です。重症感染症を併発している急性期に投与するのみでなく,減少症が遷延する場合には長期に投与が必要になることがあります。

骨髄移植

先天的に造血不全がある場合には唯一の根治的治療法です。主に好中球減少症が遷延し薬剤(抗菌薬やG-CSF)に抵抗性である場合,考慮されます。

参考文献

  • 日本血液学会編. 血液専門医テキスト 第3版. 南江堂. 2017年
  • 日本小児血液・がん学会編. 小児血液・腫瘍学.診断と治療社. 2015年
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