熱性けいれん ねつせいけいれん

熱性けいれんは乳幼児の発熱時によく見られる疾患です。発熱時のけいれん発作は通常短く、成長すると自然になおることが多い疾患です。過度に心配する必要はありませんが、けいれん時の対応など注意が必要な点もあります。

特徴

  • 多くは生後6か月から5歳の乳幼児期に発症(特に1歳〜1歳半で多い)します。
  • 発症頻度は人種差や地域差があるとされるが、20〜30人に1人と頻度は高いです。
  • 発症原因は脳の未熟性や遺伝的素因など考えられているが明確ではありません。
  • 発熱時にけいれん発作を起こし数分で自然におさまることが多いです。
  • 再発することもあるが、多くは5歳頃になると自然に治ります。

症状

通常は38℃以上の発熱に伴い、発熱後24時間以内にけいれん発作を認めることが多いです。熱性けいれんの発作は、通常全身で左右対称性に四肢を強ばらせたり震わせたりし、開眼しつつ目は上転あるいは左右どちらかに偏っていることが多いです。顔色や唇も青くなることもあります。ほとんどは5分以内におさまりますが、その後数分ほど意識混濁が続くことがあります。

なお発熱時によく見られる悪寒戦慄(寒気による身震い)もブルブルっと震えますが、数秒単位で、呼吸の様子も変わりなく、意識障害もないため、けいれん発作とは異なります。

診断

熱性けいれんは、発熱に伴うけいれん発作で、髄膜脳炎やてんかんなど明らかな原因を否定することで診断されます。熱性けいれん以外の病気が原因ではないか調べるために血液検査や場合によっては髄液検査、頭部画像検査(CTやMRI)、脳波検査が行われることがあります。

分類

熱性けいれんのうち、次の3項目の特徴があるかどうかで分類しています。

  • 体に部分的に発作が起きる
  • 15分以上持続
  • 24時間以内に複数回繰り返す

これらいずれも満たさないものを単純型、1つでも満たすものを複雑型と分類しています。熱性けいれんの多くは単純型です。複雑型は非典型であるため、他の原因がないか検査の対象となることが多いです。

対応・治療

まずけいれんが起こった場合は、周囲の安全を確保し、衣服を緩め、顔を横に向け嘔吐した時に窒息しないようにします。そしてけいれん発作の持続時間とけいれんの様子 (左右対称か目の向きなど)を観察し、余裕があれば発作時の動画をしておくとよいでしょう。また嘔吐や誤嚥をしないか注意します。多くは5分以内に自然におさまりますが、5分以上続いていそうであれば救急車を要請してください。なお、けいれん発作時に歯をくいしばっているからといって、口の中に何か入れたりすると嘔吐を誘発したり呼吸がしにくくなることがあるため、口の中に何か入れようとしないでください。

病院に受診した時に、けいれん発作が続いている状態では抗けいれん薬を投与します。けいれん発作の経過より検査を行い、場合によっては入院し経過観察を行うことがあります。

予後

熱性けいれんの多くは数分でおさまり特別な治療の必要はありません。長時間発作が続く場合は抗けいれん薬が必要となりますが、熱性けいれん自体で死に至ることは極めてまれです。また単純型の発作以降で知的障害や情緒障害をきたすことは通常なく、後遺症はまれで、多くは5歳頃から自然に起こさなくなります。

よくいただくご質問

解熱薬の使用について

解熱薬を使用しても、使用後の再発熱よるけいれん誘発は起こらないとされています。熱性けいれんを起こしたことがある子どもでも、風邪の時と同様、発熱による苦痛や不快感の軽減をするために解熱薬を使用することは問題ありません。

予防接種のスケジュールについて

熱性けいれんを起こしたからといって接種できるワクチンに制限はなく、接種を控える期間も明確に決まっていませんので、発作後の経過を医師と相談の上、当日の体調に注意しスケジュールに沿って接種してください。

再発・予防薬について

再発率は、同じ発熱機会内では24時間以内に約10%とされています。また次の発熱機会では30%前後で1年以内の再発が多いです。しかし多くの子どもでは一生に一度だけですので必ずしも予防薬は必要としません。予防薬の要否については、再発の予測因子がいくつかあり、これらの因子とけいれん持続時間、受診環境など踏まえご相談し決めていきます。

てんかんとの関連について

てんかん発症に関してですが、熱性けいれんを起こしたからといって、必ずしもてんかん発症に結びつくわけではありません。確かに熱性けいれんを発症したことがある子どもは、起こしたことない子どもと比べ、特に神経疾患を持っていたりすると、てんかん発症率が高くなります。しかし熱性けいれん自体がてんかんに移行するということではありません。また熱性けいれん時には既にてんかん病因を有しているため、熱性けいれんを予防することで後のてんかん発症を予防できるわけでもありません。熱性けいれんを発症した子どもの90%以上はてんかんを発症しませんし、仮にてんかんを発症しても発熱してない時の発作を認めてからの治療でも遅くありません。

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