流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
病因
ムンプスウイルスによる感染症です。飛沫感染によりウイルスは伝播します。2割の方は無症状の不顕性感染をおこすとされています。潜伏期間は16~25日間です。
症状
急速な耳下腺腫脹、発熱で発症し、48時間以上持続する耳下腺腫脹が特徴です。多くは片側の耳下腺が腫脹した後、同時、または1~2日以内に反対側の耳下腺が腫脹することがあります。しかし、ときに7日以上あけて反対側の耳下腺が腫脹することもあります。
合併症として髄膜炎、脳炎、難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎などがあります。近年、おたふくかぜ罹患による難聴が問題となっており、永久に高度感音性難聴を遺す頻度は400人に1人とされています。
検査
臨床症状から診断をつけることが多いです。耳下腺炎を反復する例などでは血液検査を施行し抗体の有無を確認します。
治療
特異的な治療方法はありませんが、ワクチンによる予防が可能です。ワクチンはおたふくかぜワクチンを生後12~15ヵ月、4~6歳の2回にわたり接種することが推奨されています。