風疹(三日ばしか)
病因
風疹ウイルスによる感染症です。飛沫感染によりウイルスは伝播します。潜伏期間は14~21日間です。
症状
発疹、発熱、リンパ節腫脹が出現することがあります。
発疹
年少児では発疹が唯一の症状であることが多いです。約3割が不顕性感染と言われているため、発疹を認めないこともあります。発疹は顔面から始まることが多く、その後全身へ広がります。癒合することも少なく、発疹は約3日間続くとされています。
発熱
年長児では、発疹の出現1~5日前に微熱や倦怠感、咳嗽、鼻汁といった前駆症状を認めることが多く、発疹とともに微熱から高熱となることがあります。年少児では発熱や前駆症状がはっきりしないこともあります。
リンパ節腫脹
発疹が出現する約1週間前から、耳介後部や後頚部、後頭部のリンパ節腫脹を来たすことが多く、数週間持続こともあります。
合併症として血小板減少性紫斑病、脳炎、肝炎、溶血性貧血、進行性風疹全脳炎などがあります。母体のウイルス血症に伴って経胎盤感染がおこり、胎児に感染すると先天性風疹症候群を発症することがあります。臓器障害として、眼科的問題、循環器的問題、耳鼻科的問題、精神神経学的問題などを認めることがあります。
検査
血液検査を施行し抗体の有無を確認します。本感染症の疑いが強い場合は、保健所へ連絡し、血液、咽頭ぬぐい液、尿を用いてPCR検査を行うこともあります。
治療
特異的な治療方法はありませんが、ワクチンによる予防が可能です。ワクチンは麻疹風疹ウイルスワクチンを1歳、6歳(小学校入学前まで)の2回接種することが推奨されています。