RSウイルス感染症
病因
RS(Respiratory syncytial virus)ウイルスによる感染症です。飛沫感染、接触感染によりウイルスは伝播します。潜伏期間は3~5日間です。乳幼児は生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%が初感染をうけるとされています。他の多くのウイルス感染と異なり、一度の感染では終生免疫は獲得されず母体由来抗体の豊富に存在する乳児期早期(生後3ヵ月未満)にも感染が成立することが特徴です。乳児期早期および基礎疾患をお持ちのお子様が入院加療を要することもあります。
症状
発熱、咳嗽、鼻汁、哺乳不良、活気不良などがあります。
咳嗽、鼻汁などの上気道症状が2~3日間持続した後、感染が下気道、特に細気管支に及んだ場合には、分泌物、炎症性浮腫により細気管支が狭くなりお子様の呼吸が苦しくなることがあります。
その他には生後1ヵ月未満の新生児や早産児などに感染が下気道まで進行したことで呼吸困難と無呼吸を呈することがあります。
検査
後鼻腔ぬぐい液を用いてRSウイルス抗原検査を確認します。
治療
特異的な治療方法はありませんが、近年、在胎36週未満の早産児、気管支肺異形成症、血行動態に異常のある先天性心疾患、免疫不全を伴う、21 trisomyなどRSウイルス感染のハイリスク児に、ヒト型に変換された抗RSウイルス単一クローン抗体が流行期に予防投与されています。