インフルエンザ
病因
インフルエンザウイルスによる感染症です。飛沫感染、接触感染によりウイルスは伝播します。時に大規模な流行では空気感染の関与が大きくなるとされています。潜伏期間は24~48時間です。インフルエンザが冬期の重要な入院の要因になっており、毎年数千人~数万人の小児がインフルエンザ感染により入院していると考えられています。高齢者と異なり、死亡例はまれとされています。小児の入院の主体は学童ではなく、4~5歳以下の低年齢の乳幼児とされており、また大多数が基礎疾患のない健康な小児とされています。
症状
学童では、成人と同様の典型的なインフルエンザ症状と呈することが多いとされます。突然の高熱から始まり、咽頭痛、頭痛、関節痛、倦怠感など全身症状が強いです。2~3日で解熱し、鼻漏、咳嗽などの呼吸器症状が目立ちます。完全な回復には1~2週間を要するとされています。
低年齢になると、全身症状は軽いことがあり、呼吸器症状が中心となります。乳幼児では熱性痙攣や中耳炎の合併も多く報告されています。3~4日程度で解熱傾向になってから再び発熱し2峰性の発熱となり、合計で1週間程度発熱が持続することもあります。B型インフルエンザでは比較的、嘔吐、腹痛などの消化器症状が強くでることがあります。
合併症として幼児にインフルエンザに伴った脳炎、脳症があります。
検査
後鼻腔ぬぐい液を用いてインフルエンザウイルス抗原検査を確認します。
治療
状況により抗インフルエンザ薬の内服、点滴を投与します。ワクチンによる予防方法があります。ワクチン株と流行株が一致した場合、学童では発病防止効果は70~90%とされています。生後6ヵ月~3歳未満までは1回0.25mlで2~4週間隔で2回接種、3~13歳未満までは1回0.5mlで2~4週間隔で2回接種、13歳以上は1回0.5mlで1回接種が推奨されています。