双極性感情障害
特徴
気分の落ち込みを主とするうつ状態と、高揚気分を主とする躁状態が繰り返されます。気分の変動であるうつ状態と躁状態は、一般的に生活していておきる気分の浮き沈みの範囲を超え、しばしば極端な考えや行動に発展します。状態が悪い時は、日常生活・社会生活に支障をきたします。同種のうつ状態を示すうつ病と比べ、若年で発症することが多いです。
症状
- 抑うつ状態では、気分の落ち込み、判断力・決断力の低下、意欲の低下、悲観的な考えや自分を過度に責める傾向、および不眠または過眠が一定期間続きます。
- 躁状態では、爽快な気分になる、いろいろな考えがどんどん出てくる、多弁、じっとしていられないほど活動してしまう、浪費などが一定期間続きます。
診断
- 医師との面接で精神症状を把握し、うつ状態、躁状態の時間的な経過を明らかにすることで診断します。
- ご家族の同席をお願いし、家族から見た調子の上下を参考にすることがあります。
- 血液・画像検査で二次的な気分障害の可能性について否定していきます。
治療
- 気分安定薬を中心とした薬物治療を行います。
- 重症例では、修正型けいれん療法を行います。
- 当院では、高照度光療法や断眠療法など時間生物学的な治療も検討していきます。
- 精神療法で、生活上の留意点やストレスなどの捉え方についても助言します。
- 多職種による心理社会的介入を行います。