膵神経内分泌腫瘍
膵臓は、膵アミラーゼ等の消化酵素を十二指腸内へ分泌する外分泌腺と内分泌腺で構成されます。膵臓の90%以上は外分泌腺が占め、内分泌細胞の塊は分泌液に浮かんで存在しているため、ランゲルハンス島と呼ばれます。ランゲルハンス島の構成細胞が腫瘍化したものを膵神経内分泌腫瘍と呼びます。
主に切除が推奨されますが、切除できない場合は薬物療法となります。
血液中にホルモンを過剰分泌し、症状が現れる機能性腫瘍(60%)とホルモンを分泌せず、症状のない非機能性腫瘍(40%)に大別されます。
機能性腫瘍
インスリノーマ(分泌ホルモン:インスリン) 症状は、低血糖
ガストリノーマ(分泌ホルモン:ガストリン)症状は、難治性胃潰瘍
グルカゴノーマ(分泌ホルモン:グルカゴン)症状は、融解性壊死性紅斑
ソマトスタチノーマ(分泌ホルモン:ソマトスタチン)症状は、脂肪性下痢
WDHA症候群 症状は、激しい下痢(1日に10~50回)です。
非機能性腫瘍
一般的には無症状ですが、腫瘍が非常に大きくなった場合は、圧迫や痛みなどの症状が出ることがあります。食べ物の通過障害により吐気・嘔吐などの症状がでることもあります。日本のガイドラインでは非機能性腫瘍はリンパ節郭清を伴う定型切除が推奨されています。経過観察も可能ですが、患者さん一人一人の状況に合わせて専門的に判断する必要があります。