胃がん いがん

胃に発生する悪性腫瘍のほとんどが胃の粘膜から発生する胃癌です。他には粘膜以外から発生する肉腫、粘膜下腫瘍、リンパ腫などがありますが数は多くありません。

男性は1990年半ばまで、女性は2000年以降まで胃がんが日本国内のがん死亡原因の一位でした。2022年に入っても男性の死亡率3位、女性は5位とまだまだ多いがんとなっています。(国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」より)。*以下は胃がんについての説明となります。

特徴

  • ヘリコバクターピロリ菌が大きな危険因子と言われています。その他、飲酒、喫煙、多量の塩分摂取などが危険因子といわれています。
  • 1年で胃がんと診断される人数は約12万人、胃がんで亡くなる方は約4万人とされています。2019年時点でも罹患者数は男性が3位、女性が4位であり日本人が多くかかるがんの一つです。(国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」より)
  • 男女とも50歳代ぐらいから胃がんになる人が増え始め80歳代まで上昇を続けます。
  • 胃の出口付近にできることが一番多く、胃の真ん中、胃の上部と続きます。最近では胃と食道のつなぎ目にできるがんも増えてきており、「食道胃接合部がん」と呼ばれています。(詳しくは「食道胃接合部がん」のページをご参照ください。)

症状

早期は特に症状を訴えることはなく、健康診断で発見されることが多いです。進行して行くにつれて症状を訴える患者さんが多くなっていきます。早期がんでも潰瘍を伴っていることによって胃痛が出現し早期発見につながることもあります。進行による症状としては食欲不振、みぞおちの辺りの痛み、嘔気、嘔吐、体重の減少、貧血などがあります。

検査

胃がん検診

各地域の自治体や職場などで行われている検診です。ピロリ菌、ペプシノゲン検査を行うことや、バリウム検査、内視鏡検査なども行うこともあります。

内視鏡検査

胃の中を直接観察し異常な部分があればつまんで顕微鏡検査を行うことができます。性能が向上しより小さな異常も発見できるようになってきています。小さい胃がんであれば内視鏡検査で削り取って治療が完結できることもあります。

バリウム造影                                  

2次検診で行われることが多い検査です、バリウムを内服してレントゲン撮影を行い異常を発見する方法です。

超音波検査・CT検査・PET-CT検査

主にリンパ節や他の臓器への転移を見るために検査します。また、大きい胃がんであれば胃自体の状態も判断できます。

審査腹腔鏡

胃がんが進行するとお腹の中に散らばるように転移することがあり,腹膜播種と呼ばれます。この腹膜播種が疑われる場合には、全身麻酔をかけて、お腹の中をカメラで観察する検査を行う事があります。これを審査腹腔鏡と呼びます。
審査腹腔鏡ではCT検査などでは見つけられないような小さな病変も見つけることができます。また、胃がんが他の臓器に浸潤しているかどうかも見ることができます。

進行度(ステージ分類) 

早期がんから発見された段階で既に他の内臓まで転移を起こしている進行がんまであります。進行度は以下の3つの要素で決定します。

  • T:深達度因子(癌浸潤の深さ)
  • N:リンパ節因子(リンパ節転移)
  • M:転移因子(他臓器転移)

治療

内視鏡治療

深達度が浅くリンパ節転移がない病変に対しては消化器内科で内視鏡的粘膜切除(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われています。早期発見ができれば外科手術を行わないで根治させることができる患者さんも増えています。

手術

内視鏡治療が難しい患者さん、内視鏡治療を行った結果リンパ節転移のリスクがあることが分かった患者さんに対しては、がんを残さないようにするため周りの正常な部分と胃の外側にあるリンパ節を含めて切除する外科手術が標準的な治療を言われています。

手術は、①どのような範囲を、②どのようにして切除するか、によって違いがあります。

どのような範囲を切除するか、については胃の下側2/3程度を切除する(幽門側胃切除術)、上側1/3を切除する場合(噴門側胃切除術)、全部を切除する場合(胃全摘術)の3種類が主に行われています。胃は食べ物の消化に大きな役割を担っているため、少しでも胃を残すことで手術後の消化・吸収の機能が保たれると言われています。当院でも、可能であれば胃の全摘を避け、胃を残す手術を心がけています。

どのようにして切除するか、については大きくお腹を開ける開腹手術、小さな傷から腹腔鏡と呼ばれるカメラを入れて行う腹腔鏡手術があります。患者さんの胃がんの進行度や患者さんごとの体の状態によって開腹手術が良いか腹腔鏡手術が良いかは変わってきますが、最近では腹腔鏡手術が広く行われるようになってきています。腹腔鏡手術のメリットは傷が小さく手術後の痛みが少ないこと、手術後の回復が早いことなどがあげられており、当院でも積極的に行っております。

抗がん剤治療(化学療法)

抗がん剤治療の主な目的は3つあります。①手術前にがんを小さくして手術で取りやすくすること(術前化学療法)、②手術後にがんの再発をおさえること(術後補助化学療法)、③手術では取り切れない状態のがんや手術後に再発したがんの進行をおさえることです。

術前化学療法は通常2回もしくは3回の治療を行います。治療が効いた場合にはがんを取りきれる確率が上がり、手術が安全に行えるというメリットがありますが、治療が効かなかった場合には切除が難しくなるというデメリットがあります。

術後補助化学療法は手術後半年から1年の間投与します。手術で取り切れた場合でも手術後に再発する場合があり、胃がんのステージが進めば進むほど再発のリスクが上がるとされています。そのため、進行した胃がんでは手術後に再発をおさえるための抗がん剤治療を行うことがあります。これが術後補助化学療法です。手術後は抗がん剤の副作用が強く出る場合があり、そのような場合には抗がん剤の量を減らしたり中止することがあります。

手術では取り切れない状態で見つかった胃がんや、手術後に再発した胃がんに対しても抗がん剤治療が行われます。この時の目的は、がんの進行を抑え寿命を延ばすことです。最近では使える抗がん剤の種類が増えてきており、がんの進行を抑えるメカニズムも様々です。

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