腎盂尿管がん
特徴
- 50~70歳代に多く認められ,男性のほうが女性より頻度が高いです。
- 喫煙との関連があります。
- 腎臓から産生された尿の通り道である腎盂尿管の尿路上皮粘膜より発生する悪性腫瘍であり、ほとんどは尿路上皮癌のタイプですが、稀に扁平上皮がん、腺がん、小細胞がん、未分化がん等があります。
- 膀胱がんが発生(再発)する頻度が高いです。
症状
痛みをともなわずに突然尿に血が混ざることが特徴です。
診断
造影CTの一種であるCTウログラフィーが有効です。
造影剤にアレルギーがある場合はMRIや逆行性腎盂造影(膀胱からカテーテルを尿管内に挿入し検査を行います)、全身麻酔による尿管鏡検査で代用します。
ステージ分類 TNM
- T:深達度因子(癌浸潤の深さ)
- N:リンパ節因子(リンパ節転移)
- M:転移因子(他臓器転移)
治療
ここ数年間で腎がん診療は顕著な発展を遂げ、治療内容が大きく変わってきております。
手術
転移がない患者さんの場合には手術を第一に行います。腎臓、尿管、そして尿管下端に付着する膀胱の一部分を切除する腎尿管全摘術・膀胱部分切除術が標準的です。腎臓摘出には体への負担を軽減するために腹腔鏡を用いた手術を積極的に取り入れております。
薬物治療
転移を有する患者さんの場合は抗がん剤化学療法を第一に行い、その後免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせて治療を行います。