眼瞼下垂症
眼瞼下垂症とは、上瞼(うわまぶた)が下がってきて、物が見えにくくなってくる状態のことをいいます。それには、生まれつきの先天性眼瞼下垂症と後天性の眼瞼下垂症があります。後天性の眼瞼下垂症のほとんどは、加齢性眼瞼下垂症といって、年齢とともに上瞼の皮膚がたるんだり、上瞼をもち上げる筋肉が伸び切ったり、固定部がゆるんだりするのが原因です。頭痛・目の奥の痛み・肩こり・首筋の張りの原因ともなります。
治療
その原因によって、たるんだ皮膚を切除し、ゆるんだ腱膜や筋肉を固定しなおします。
麻酔と手術時間
手術は局所麻酔で行います。片方で約45分、両方で1時間半ほどです。
入院について
術後の腫れを最小限とするために、術後の創部の圧迫と冷却を行いますので、基本的に1泊入院で行っています。高齢者や抗凝固薬を服用している人では数日の入院が必要な場合があります。保険適応となります。
経過
瞼の腫れの予防に術後数時間は冷却します。抜糸は術後1週間で行います。3~4週間は瞼が腫れますので、淡い色のサングラスをかけることをすすめています。キズアトや腫れが完全に落ち着くには4~5ヶ月ほどかかります。
結果
見える範囲が広がり見えやすくなります。また、頭痛や肩こりがあった人では改善することがあります。外見的には、ひたいの皺が目立たなくなり、上瞼がのびていた人では短くなります。
合併症
血が止まり難い薬(抗凝固薬)を服用している方や高齢者では、術後に皮下内出血で瞼が暗紫色になることがありますが、3週間ほどで自然に消えます。ある期間、ドライ・アイという眼の乾きを訴える人がありますが、そのような人では慣れるまでは目薬をさします。その他、顔つきが若返った感じがしますが、眼つきが厳しく見える方もいます。また、ひたいの皺が目立たないぶん、瞼の内側や鼻根の小じわが目立ってくることがあります。
眼瞼下垂の改善の程度(瞼の皮膚の切除量)などによって術後の顔の印象が変わりますので、術前に担当医とよく相談することが大切です。