このたび，令和6年4月1日付けで日本大学医学部附属板橋病院長に就任しました。専門は脳神経外科で脳神経外科の部長を兼任しています。どうぞ，宜しくお願い申し上げます。
日本大学医学部は，大正14年に専門部医学科として開設され，昭和10年に日本大学医学部附属板橋病院として板橋区の現在地に開院いたしました。以来，板橋区，豊島区，北区，練馬区の東京都区西北部地域における中核病院として，また，高度で先進的な医療を提供する特定機能病院としての役割を担って来ました。そして，「日大板橋病院」として親しまれて参りました。日本大学医学部附属板橋病院の理念は，「人間愛に基づいて良質で高度な医療を実践します」です。そして，安心，安全，良質で高度な医療を実践するとともに提供すべく職員一同努めております。
現在，38の専門診療科と診療センターによる診療体制を整えています。厚生労働省よりがん専門病院として「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けており，地域におけるがん医療の中心的役割も果たしています。また，3次救急医療を担う「救命救急センター」，そして「外傷センター」「東京都母体救命搬送システム」（スーパー総合周産期センター）及び「こども救命センター」の認定を受けています。救命センター内にはCCUを有し，「緊急大動脈重点病院」としても地域の救急心血管疾患診療の一翼を担っています。さらに，「脳卒中学会一次脳卒中センターコア」の認定施設でもあり，脳血管内治療指導医・専門医等が常勤し，専門的な治療を提供しております。また，「災害拠点病院」「災害時医療派遣チーム東京DMAT認定病院」の指定を受け，災害医療にも多大な力を注いでおります。
「安全・安心で高度な医療」を提供する上で，医療安全管理や感染予防対策は重要です。そして，当院ではいずれの部署にも専従のスタッフを配置して24時間の対応をしています。また，外来化学療法室，栄養相談室，褥瘡対策チームなどに専任職員を配置し，横断的な診療体制を図っています。また，「診療支援センター」を設置しており，予約制で面談を行い，合併症の有無や持参薬の確認を行っております。患者さんの病状に応じた治療計画を提示して安心で快適な入院診療を行えるような体制を構築しています。
当院はこのように数多くの認定を受けている都内有数の医療機関ですが，医学部付属病院として学生や研修医の教育にも力を注いでいます。医学部は2025年に創立100周年を迎えます。本学部建学の理念のひとつに「よき臨床医の育成」を掲げています。本学医学部の学生は医学部敷地内にある当院で学生実習を行うことができ，診療参加型臨床実習から初期臨床研修，後期臨床研修（専攻医）へと一貫した卒前・卒後教育を受けられる最適な環境の中で，高度な医療に接しながら，将来進むべき道を考えることができます。
現在の日大板橋病院は，1970年（昭和45年）に建設されました。当時は東洋一と言われたそうです。しかし，50年以上が経過し大分古くなりました。近々，板橋キャンパスの再整備が開始され，数年は掛りますが新しい病院となる予定です。この間，必要な耐震補強工事を進めるとともに，出来るだけ早く新しい病院をスタートさせる予定です。そして，「中身」も常に改善・向上させるよう教職員一丸となって務めて参りますので，宜しくお願い申し上げます。
病院長 吉野 篤緒
