病院長からのごあいさつ
日本大学医学部は,大正14年に専門部医学科として駿河台の地に開設され,2025年に創立100周年を迎えます。日本大学医学部附属板橋病院は,昭和10年に板橋区の現在の地に開院しています。以来,東京都区西北部地域における中核病院として,また,高度で先進的な医療を提供する「特定機能病院」としての役割を担って来ました。そして,医学部の本院であるとともに「日大板橋病院」として親しまれて参りました。そのような板橋病院において,研修医として充実した初期臨床研修を送り,「良き臨床医」と成長して頂けることを願っています。
病院長 吉野 篤緒
臨床研修センター長(循環器内科)からのごあいさつ
日本大学医学部の教育理念は「良き臨床医の育成」にあります。「良き臨床医」とは,目の前の患者さんにとって,医学的にも人間的にも最善をつくす医師であることはゆるぎのない事実ですが,時代と共に「良き臨床医」に求められる条件は多様化しており,我々はそれに適応していかなければいけません。この「良き臨床医」になるためには,最初の数年間の教育は最も重要です。初期臨床で一流の医学,人間学を学べるかが,その先の医師人生を左右するといっても過言ではありません。これは一朝一夕で学べるものではなく,我々,教育する側が日々の臨床で示し,屋根瓦式に伝承していくものであると確信しています。日本大学板橋病院は,高度で先進的な医療を提供する特定機能病院であるとともに,地域の基幹病院としての役割も担っている数少ない都心の大学病院です。すなわち,専門的で最先端のエビデンスに基づいた医療と,プライマリーケアや1次,2次救急医療など,実践的でかつ人間力の必要な医療を同時に学ぶことができます。
また大学病院の特徴として,臨床のみならず研究活動も行っております。初期の大事な時期に経験から学ぶ医療のみならず,日進月歩に進歩する医療のエビデンスも同時に学び,evidence based medicineの素地を身に着けていきましょう。そのために一人ひとりの患者さまに真摯に向き合い,行った処置や医療をフィードバックし探求することが重要です。私たち指導医はこれらさまざまな角度から“臨床で考える力”を養うノウハウを教えてまいります。その教育目標を達成するには,初期臨床研修のカリキュラムを充実させる必要があることは言うまでもありません。初期臨床研修のカリキュラムはある一定の条件を満たす必要がありますが,初期臨床をうける先生方が十分に満足できることが重要であります。そのために先生方の意見をオープンに受けいれる体制が必要です。私が窓口となり,先生方の満足のいく日大独自の研修システムの構築に尽力したいと考えています。
この大事な2年間を共に学び,充実した研修ができるように取り組んでいきしょう。
臨床研修センター長(循環器内科) 奥村 恭男