センター長ごあいさつ
緩和ケア・痛みセンターのページにアクセスいただきありがとうございます。
2019年に緩和ケア・痛みセンターが設置され,がんと向き合う患者様やご家族の多様なニーズに診療科や部署をまたいで多職種が関わることができる体制が整いました。私は2017年より精神腫瘍学の指導医として緩和ケアチームや痛みセンターでの診療に参加して参りました。さまざまな診療科の医師やメディカルスタッフがそれぞれの経験や専門知識を出しあう,集学的アプローチの大切さを日々感じています。また当センターでは,厚生労働省の緩和ケア研修会や各種勉強会の開催を通して,慢性疼痛や緩和ケアにまつわる知識の普及にも努めております。
緩和ケア・痛みセンター長
横瀬 宏美
緩和ケアについて
当院の緩和ケア診療の歴史は長く,1978年にさかのぼります。当初はがん診療に関わる各科の医師,麻酔科医,心療内科医,看護師,MSW (メディカルソーシャルワーカー)の有志の集いでした。月1回のカンファレンスを開き,がん患者さんにより良い緩和ケアを提供するための検討を行ってきました。参加メンバーや職種は時と共に変わりながらも,現在までに行われた症例カンファレンスは400回を超えます。
2003年よりチームとしての緩和ケア活動が開始となり,現在,医師,看護師,薬剤師,公認心理師,MSW,管理栄養士がメンバーとなり,各科から依頼された入院患者さんとそのご家族に対する緩和ケアを提供しています。
2007年4月に緩和ケア外来が設立されたことで,入院から外来,外来から入院と切れ目のない,安心できる緩和医療を提供する体制ができあがりました。
2019年より緩和ケア・痛みセンターが設置され,各部署・各診療科と連携した緩和ケアを提供することが可能となり,更なる緩和医療の充実に努めております。
また,患者支援センターなどと協働して,地域の連携病院,診療所の先生方との連携の構築も心掛けております。具体的には,当院における患者さんとご家族への介入を通して緩和医療の情報を提供し,公開カンファレンス,勉強会,事例検討会などによる最新の緩和医療の提供を行っております。
緩和ケアチームについて
がんをはじめとした生命を脅かす疾患の患者さん,ご家族に対し,痛みやいろいろな症状(息苦しさ,不眠,不安,便秘,倦怠感など)を緩和できるように支援する専門家チームです。
相談内容
- 痛みをはじめとしたお身体のいろいろな症状のこと
- 不安をはじめとしたお気持ちに関すること
- ご家族のサポート
- 緩和ケア病棟に関すること
- 退院後の自宅での療養に関すること
- 医療制度,経済面に関すること
- 栄養に関すること,など
緩和ケアチームは,医師・看護師・薬剤師・公認心理師・MSW・管理栄養士などの各専門家で編成されたチームです。入院患者さんであれば病室を訪問し,問診・診察を行い,主治医・担当看護師等とカンファレンスを実施し情報共有をした上で,緩和ケアを開始します。また,小児の場合は子どもサポートチームとして子どもに関わる専門家とともに小児患者さんとご家族に対応いたします。介入後は主治医および関係各部署と定期的に連携を図りながらケアを行います。
緩和ケア外来について
医師,看護師,薬剤師など緩和ケアチームで診療を行っており,完全予約制で時間をかけてお話をお聴きしております。痛みをはじめとした心身の苦痛をもたらす症状に対する薬剤調整だけでなく,気持ちのケア,ご家族のサポート,今後の療養場所の選択など,様々な相談に応じます。
緩和ケア外来は月曜日の午後,完全予約制です。予約方法は,主治医から緩和ケア外来へ依頼になりますので,受診を希望される場合は当院受診科の主治医へお声掛けください。
緩和ケアの勉強会・事例検討会のご案内
当院では,医師,看護師,薬剤師,MSW,公認心理師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士など,多職種による事例検討会を毎月開催してきました。
2019年度より,「今更聞けない,今更聞きづらいなと思う」をテーマに勉強会を開始,2020年度からはオンラインと対面のハイブリッド方式にて,日常診療・看護に役立つ緩和ケアの知識と考え方を習得できる勉強会を開催しております。緩和ケアにすでに携わっている医療者に加えて,日常業務で緩和ケアに携わっていない医療者,これから緩和ケアの勉強をしたいと考えている医療者,介護者の参加もお待ちしています。
- 日時
- 毎月第2木曜日(8月・10月以外)午後5:30~6:30
- 参加費
- 無料
- 開催形式
- ZOOM配信
- 連絡先
- 医事課 塚越 晴美 tsukagoshi.harumi@nihon-u.ac.jp