胃がん
胃がんについて
概要
胃がんは,胃の壁の内側にある粘膜細胞が何らかの原因でがん化し,無秩序に増殖することにより発生します。がんが大きくなると,徐々に粘膜下層,固有筋層,漿膜といった胃の壁の深い方向へ進んでいきます。さらにがんがより深く進むと,漿膜の外側まで達して,近くにある大腸や膵臓に広がったり,またがん細胞がリンパ液にのって転移したり(リンパ節転移),血液の流れに乗って離れた臓器に転移が起こることがあります。(遠隔転移)また,漿膜の外側を越えて,おなかの中にがん細胞が散らばる(腹膜播種)が起こることがあります。
胃がんは,日本全国で一年間に約135,000人が診断されます。胃がんと診断される人は男性に多い傾向にあり,50歳ごろから増加して,80歳代でピークを迎えます。男性では最も多く,女性では乳がん,大腸がんに次いで3番目に多いがんです。日本の胃がんの罹患率は,人口の年齢構成の移り変わりの影響を調整した場合,男性では2000年代前半まで減少傾向,その後は横ばいが続いています。女性では,1980年代から一貫して減少傾向にあります。