大腸がん
大腸がんについて
概要
大腸がんは,大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで,腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと,正常な粘膜から直接発生するものがあります。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。
がんが大きくなるにしたがい,徐々に粘膜下層,固有筋層,漿膜へと外側に深く進んでいきます。がんがより深く進むと,がん細胞がリンパ液にのって転移したり,(リンパ節転移)血液の流れに乗って離れた臓器に転移が起こることがあります。(遠隔転移)また,漿膜の外側を越えて,おなかの中にがん細胞が散らばる(腹膜播種)が起こることがあります。
大腸がんは,日本全国で1年間に約158,000人が診断されます。やや男性に多い傾向にあり,30代前半から増加して,高齢になるほど多くなります。
2019年の統計予測では男性では1番目,女性では乳がんに次いで2番目に多いがんです。大腸がんの発生は,生活習慣と関わりがあるとされています。赤肉(牛,豚,羊など)や加工肉(ベーコン,ハム,ソーセージなど)の摂取,飲酒,喫煙により大腸がんの発生する危険性が高まります。体脂肪の過多,腹部の肥満,高身長といった身体的特徴をもつ人で,大腸がんを発生する危険性が高いといわれています。また,家族の病歴との関わりもあるとされています。特に家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の家系では,近親者に大腸がんの発生が多くみられます。